綿半ホールディングスは23年3月期3Q累計大幅営業・経常増益、通期も大幅営業・経常増益予想

(決算速報)
 綿半ホールディングス<3199>(東証プライム)は1月31日の取引時間終了後に23年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。小売事業が新規出店コストや電力料金値上げの影響を受け、貿易事業も円安影響を受けたが、建設事業における順調な工事進捗が牽引し、全体として増収、大幅営業・経常増益だった。そして通期の大幅営業・経常増益予想を据え置いた。小売事業が新店も寄与して堅調に推移し、受注好調な建設事業が回復する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は調整一巡して戻り歩調の形だ。そして22年7月の昨年来高値に接近している。週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期3Q累計大幅営業・経常増益、通期も大幅営業・経常増益予想

 23年3月期第3四半期累計(4月~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比18.4%増の1005億93百万円で、営業利益が27.0%増の21億08百万円、経常利益が21.4%増の25億72百万円、親会社株主帰属四半期純利益が前期計上の負ののれん発生益の剥落や税負担の増加で13.7%減の13億90百万円だった。

 小売事業が新規出店コストや電力料金値上げの影響を受け、貿易事業も円安影響を受けたが、建設事業における順調な工事進捗が牽引し、全体として増収、大幅営業・経常増益だった。

 小売事業は売上高が1.8%増の592億73百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が35.0%減の9億76百万円だった。売上面は、22年8月にオープンした綿半スーパーセンター上田店、22年9月にオープンしたグループ初の都市型店となる権堂店も寄与して増収だが、コスト面では、新規出店コストや電力料金値上げの影響で減益だった。

 建設事業は売上高が64.6%増の366億57百万円で、利益が297.3%増の13億81百万円だった。資材価格高騰の影響を受けたが、豊富な受注残を背景に各分野の工事が順調に進捗して大幅増収増益だった。

 貿易事業は売上高が5.7%減の39億94百万円で、利益が36.0%減の3億53百万円だった。円安や輸送コスト上昇などの影響で減収減益だった。

 その他(不動産事業など)は売上高が214.9%増の6億68百万円で、利益が7.2%増の1億16百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が309億69百万円で営業利益が4億97百万円、第2四半期は売上高が333億19百万円で営業利益が6億29百万円、第3四半期は売上高が363億05百万円で営業利益が9億82百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比9.2%増の1250億円、営業利益が22.8%増の29億50百万円、経常利益が14.1%増の33億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が2.1%増の22億50百万円としている。配当予想は22年3月期比1円増配の22円(期末一括)としている。連続増配予想である。

 セグメント別の計画は、小売事業の売上高が1.9%増の780億円でセグメント利益が0.6%増の18億26百万円、建設事業の売上高が25.9%増の400億85百万円で利益が71.5%増の14億53百万円、貿易事業の売上高が1.7%増の59億15百万円で利益が0.3%増の7億円としている。小売事業が新店も寄与して堅調に推移し、受注好調な建設事業が回復する見込みだ。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が80.5%、営業利益が71.5%、経常利益が76.8%、親会社株主帰属当期純利益61.8%と概ね順調である。期初時点で下期偏重の利益計画(営業利益は上期10億42百万円で下期19億08百万円、経常利益は上期12億24百万円で下期21億26百万円)であり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は調整一巡して戻り歩調の形だ。そして22年7月の昨年来高値に接近している。週足チャートで見ると13週移動平均線に続いて26週移動平均線を突破した。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。1月31日の終値は1406円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS113円31銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の22円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS974円25銭で算出)は約1.4倍、時価総額は約280億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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