ジャパンフーズは22年3月期営業・経常利益下方修正だが黒字転換予想

(決算速報)
 ジャパンフーズ<2599>(東1)は11月4日の取引時間中に22年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。国内飲料需要の低迷で計画を下回ったが、前年比では2桁増益だった。受託製造数が増加し、コスト削減や中国事業の好調による事業取込利益の増加も寄与した。通期は営業・経常利益を下方修正した。ただし前年比では黒字転換を維持する見込みだ。株価はモミ合い展開だ。下方修正に対してややネガティブ反応となったが下値は限定的だった。織り込み完了してモミ合い上放れを期待したい。

■22年3月期2Q累計増益、通期営業・経常利益下方修正だが黒字転換予想

 22年3月期第2四半期累計連結業績(収益認識基準適用)は、売上高が前年同期比26.0%減の56億90百万円、営業利益が11.6%増の7億42百万円、経常利益が18.2%増の8億27百万円、親会社株主帰属四半期純利益が21.3%増の6億22百万円だった。

 従来予想に対して売上高が3億10百万円、営業利益が3億76百万円、経常利益が3億23百万円、親会社株主帰属四半期純利益が2億08百万円、それぞれ下回った。国内飲料需要が第1四半期は回復基調だったが、第2四半期に新型コロナ第5波の影響で想定を下回った。

 従来予想を下回ったが、前年比では2桁増益だった。収益認識基準適用の影響で売上高が大幅減収の形となり、コスト面では減価償却費が増加したが、国内飲料受託製造数が増加(前年比4.5%増の2151.9万ケース)し、低重心経営によるコスト削減や、中国事業の好調による事業取込利益の増加も寄与した。なお収益認識基準適用の影響額としては、売上高が20億32百万円減少、売上原価が20億39百万円減少、営業利益、経常利益および税金等調整前四半期純利益がそれぞれ6百万円増加した。

 セグメント別利益(経常利益)は、国内飲料受託製造事業が9.7%増の6億85百万円、海外飲料受託製造事業(連結対象期間21年1月~6月)が98.2%増の1億25百万円、その他の事業が9.7%増の17百万円だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が31億13百万円で経常利益が5億77百万円、第2四半期は売上高が25億77百万円で経常利益が2億50百万円だった。

 通期予想は従来予想に対して営業利益を2億20百万円、経常利益を1億70百万円それぞれ下方修正し、売上高が21年3月期比16.8%減の103億円、営業利益が2億20百万円の黒字(21年3月期は7億50百万円の赤字)、経常利益が3億40百万円の黒字(同5億64百万円の赤字)、親会社株主帰属当期純利益が4億円の黒字(同4億98百万円の赤字)としている。配当予想は据え置いて21年3月期と同額の27円(第2四半期末10円、期末17円)である。

 国内飲料需要の低迷で第2四半期累計が計画を下回ったため、通期営業・経常利益予想を下方修正した。製造受託数の修正計画は3970万ケース(従来予想に対して160万ケース下方修正)としている。ただし前期比では大幅増益・黒字転換予想としている。

 親会社株主帰属当期純利益は据え置いた。中国事業の好調による事業取込利益の増加に加えて、本社工場の総合スクラップ&ビルド計画に係る固定資産撤去費用引当金の一部取崩が計上される見込みとしている。季節要因で下期は赤字となる収益特性だが、国内の経済活動再開に伴って飲料需要が回復に向かうことも期待したい。

■株価は下値限定的

 株価はモミ合い展開だ。下方修正に対してややネガティブ反応となったが下値は限定的だった。下方修正の織り込み完了してモミ合い上放れを期待したい。11月4日の終値は1220円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS82円94銭で算出)は約15倍、時価総額は約62億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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