【株式市場特集】LNG関連株、石油関連株の資源株、地政学リスク関連株に注目

石油コンビナート

 原油先物(WTI)価格は、今年10月につけた約7年ぶりの高値である1バーレル=84.65ドルから足元の12月2日に一時、62ドル台まで売られ値を崩しているが、再騰含みとなる可能性も出てくる。関連株も下値調整を余儀なくされているが、台湾有事などの中国マターの地政学リスク関連株も含め好買い場提供とポジティブに対処するのも一考余地が出てきそうだ。

■原油先物価格は20%超安もなお上方修正の想定価格は上回る

 LNG株、石油株の株価は、今年10月にWTI価格が7年ぶりの高値をつけたことを背景にともに年初来高値をつけ、WTI価格が同高値から足元の安値まで23%超の下落となったことが響き11%超のツレ安となった。ただ原油先物価格の水準そのものは、想定価格並みとなっている。例えば今2021年12月期業績を3回も上方修正したINPEX<1605>(東1)は、この3回目の上方修正の想定価格(ブレント原油)を下期1バーレル=74.1ドル、通期69.7ドルとしており、足元の価格1バーレル=69.88ドルは下期想定を下回るものの通期想定価格をまだやや上回っており、PER7倍台、PBR0.4倍、配当利回り4.3%の割安放置を際立たせる。

 同業の石油資源開発<1662>(東1)、K&Oエナジーグループ<1663>(東1)、石油元売りの出光興産<5019>(東1)、コスモエネルギーホールディングス<5021>(東1)、石油精製の富士石油<5017>(東1)、さらに資源株のもう一方の雄である大手商社の伊藤忠商事<8001>(東1)、丸紅<8002>(東1)、三井物産<8031>(東1)、住友商事<8053>(東1)、三菱商事<8058>(東1)、双日<2768>(東1)ともども要注目となる。

■地政学リスクの定番三羽烏に電脳戦関連株にも投資チャンス

 台湾有事などの地政学リスクでは、ロシアのウクライナ国境での兵力集結も何やらキナ臭く、まず定番銘柄の防衛関連三羽烏の火工品の細谷火工<4274>(JQS)、小銃の豊和工業<6203>(東1)、機雷の石川製作所<6208>(東1)に焦点が当たる。次いで日本製鋼所<5631>(東1)、コマツ<6301>(東1)、日本アビオニクス<6946>(東2)、三菱重工業<7011>(東1)、東京計器<7721>(東1)なども戦列に参加見込みで足元で年初来安値水準となっている銘柄もあるだけに、待機スタンスでの対応が適当だろう。

 またサイバー攻撃の電脳戦に備えたサイバーセキュリティ関連株への注目も集まりそうだ。デジタルアーツ<2326>(東1)、ソリトンシステムズ<3040>(東1)、FFRIセキュリティ<3692>(東マ)、ラック<3857>(JQS)、アズジェント<4288>(JQS)、バリオセキュア<4494>(東2)、トレンドマイクロ<4704>(東1)などで、同じく年初来安値に低迷する銘柄も含まれ、逆に投資チャンスと捉えるところだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京・愛知・兵庫で屋外広告も掲出、号外や無料バッティング企画も実施  Major League …
  2. ■新生児対象の臨床試験で抗炎症作用と菌叢改善を実証  森永乳業<2264>(東証プライム)は7月2…
  3. ■「日本栄養・食糧学会大会」で研究成果発表、科学的根拠を提示  味の素<2802>(東証プライム)…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  2. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  3. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  4. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  5. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  6. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る