【業績でみる株価】OATアグリオは大塚化学から分離独立して5年、3つのコア技術で高成長

業績で見る株価

OATアグリオ<4979>(東2)は、経営の効率化・迅速化を図る目的で、2010年9月28日に大塚化学株式会社からMBO(マネジメント バイ アウト)により分離独立した会社。

これまで農薬や肥料、あるいは独自の栽培システムなどを開発・製造・販売する過程で、作物の増収に寄与する「食糧増産技術」(アグリテクノロジー)としての総合的かつ包括的な技術の開発と体系化に取り組んできたが、この技術・ノウハウの蓄積を基礎に、今後、”新たな食糧増産技術”の開発を加速させているほか、3つのコア技術である、『防除技術』、『施肥灌水技術』、『バイオスティミュラント』をコアコンピタンスとして世界の食糧増産に貢献できる製品の開発販売を行っている。

今2015年12月期第1四半期業績実績は、売上高が49億5900万円(前年同期比7.3%減)、営業利益が12億5500万円(同0.1%増)、経常利益が12億51000万円(同0.3%減)、純利益が8億2100万円(同0.3%増)に着地。

通期業績予想は、売上高が117億6200万円(前期比3.1%増)、営業利益が7億円(同5.5%増)、経常利益が6億7300万円(同3.1%増)、純利益が4億3300万円(同24.3%増)を見込んでいる。年間配当は、27.5円を予定している。

第1四半期(1-3月)は農薬分野において、昨年の消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動が大きく影響したほか、国内農薬登録制度の変更により、殺虫剤「オンコル」の売上高が減少。海外における販売は、北米及び南米向けの出荷量が好調に推移したほか、円安の影響もあり大幅に売上高は増加。また、肥料・バイオスティミュラント分野においては、農薬分野と同様に昨年の消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動が大きく影響したほか、「アトニック」が、主力の東南アジア市場での在庫調整の影響で第2四半期以降の出荷となることが響き全体としては売上は減少したが、営業利益は前年同期の水準を確保しており、通期利益予想は達成できる見通し。

株価は、昨年6月につけた高値2312.5円から同10月安値983円まで調整を挟んで5月14日高値1399円と上昇。その後、1400円どころを上値にモミ合っているが、1250円割れを下値として確認。6月末の1対2の株式分割実施に伴う処分売りは一巡した感があり、底堅い動きになると予想する。環太平洋経済連携協定(TPP)妥結が事業拡大につながる可能性があり、日柄調整が進めば、レンジ上限突破から上値を試す展開が期待されそうだ。

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