【株価診断】ヤマシンは建設用フィルタで世界最大手、昨年秋上場後の調整順調に進む

株価診断

ヤマシンフィルタ<6240>(東2・売買単位100株)は、1956年にフィルタの製造販売を目的に東京都大田区で山信工業を設立、2005年に現社名へ変更、2014年10月に上場した。建設機械用油圧フィルタ製品、産業機器用フィルタ製品の開発・製造・販売を一貫して手掛け、特に建設用では世界トップメーカーである。

年商約107億円で建設機械市場向けがが約9割占める。生産拠点は日本とフィリピン、販売拠点は日本・アメリカ・ベルギー・タイ・中国などにある。営業利益率8.1%、ROE7.7%、1株利益76.6円、1株純資産約1021円、有利子負債(リース債務含む)は約10億5000万円。発行済株式数は621万9000株の小型銘柄。事業モデル創出やフィルタ専門メーカーとしてのノウハウに強い代表取締役である山崎敦彦氏への依存度が高い。

2015年3月期は売上1.6%増の107億3000万円、営業利益22.5%増の8億6900万円、純益27.0%増の4億3000万円だった。2016年3月期は中間期見通しは非公表で通期を公表、売上6.1%増の113億5300万円、営業利益3.9%減の8億3500万円、純益25.6%増の5億4000万円の見通し。1株利益86.9円、配当は1円増配の年20円の見通し。配当性向は23.0%。中間配当制度はあるが、株主優待制度はない。

中期経営計画では、(1)油圧フィルタ分野の更なる深耕、(2)油圧フィルタ周辺分野のへの拡大、(3)新分野の拡大を掲げ業容拡大と収益力向上を目指している。

今年3月に株式3分割を実施、権利修正株価でみれば昨年10月の上場時初値1116円に対し直後に高値1400円まで買われた。今年1月に903円まで調整したあと3月に1180円、6月にも1196円まで戻し足元では1200円手前で小天井となっている。ただ、上場後の高値と安値の中間値1151円前後で推移しているためは買方には心理的余裕はある。

PERは12倍台、利回り1.8%と割安水準。今期の営業利益小幅減益や建設機械株の動きが鈍いことなどが株価の頭を押さえていることはありそうだが、新興国向け需要拡大は期待できることから中期での投資妙味はありそうだ。とくに、建設用フィルタの世界最大手という視点からは先行き東証1部昇格を視野に捉えているのではないかとみられる。

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