加賀電子の第3四半期は営業利益95%増加、3月通期の業績予想と期末配当予想を増額修正

決算 決算速報 決算情報

■3月期末配当は従来予想比20円増の65円(前期比15円の増配)に

 加賀電子<8154>(東1)は2月3日15時に第3四半期の連結決算と3月通期の連結業績予想、配当予想の増額修正を発表し、3月期末配当は昨年11月に公表した予想の1株45円を20円増額して65円の予定(前年同期実績比15円の増配)とした。好調な業績推移などに基づき、特別配当をさらに20円積み増すこととした。

■4月~12月連結決算、営業・経常利益が最高を更新

 第3四半期の連結決算(2021年4月~12月・累計)は、中核事業である電子部品事業が第1四半期から継続して牽引し、売上高が前年同期比19.9%増の3526.84億円となった。同社グループが属するエレクトロニクス業界では、半導体や電子部品の需給ひっ迫が車載部品向けや空調機器、通信・産業機器向けなど広範な分野で継続し、あわせて単価も上昇したが、コロナ禍からの回復を背景に旺盛な需要が続いた。

 営業利益は同95.0%増の146.58億円となり、経常利益は同105.9%増の148.86億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前期に計上した「負ののれん発生益」の解消により同18.2%減の104.14億円となった。営業・経常利益は第3四半期累計期間としての過去最高を更新した。

 電子部品事業の売上高は前年同期比26.2%増加した。半導体不足が言われ長期化する中で、調達力を活かして物量確保を最優先に取り組んだ。EMS(受託製造)ビジネスも車載や産業機器、医療向けが引き続き好調に推移した。ただ、情報機器事業の売上高は同22.5%減少した。セキュリティソフトなどパソコン周辺機器は好調だったが、パソコン製品の販売は電子部品不足による製品供給難の影響を受けた。

 こうした推移を受け、2022年3月通期の連結業績予想を増額修正し、売上高は昨年11月に公表した予想を1.1%上回る4750億円の見込み(前期比では12.5%の増加)に見直した。営業利益は同16.7%上回る175億円の見込み(同52.6%増)に、経常利益は同24.1%上回る180億円の見込み(同60.1%増)に、親会社株主に帰属する当期純利益は同33.3%上回る120億円の見込み(同5.3%増)に、各々見直した。各利益とも最高を更新することになる。

 22年3月期は「中期経営計画2021」(2019年度から2021年度までの3ヵ年)の最終年度となるが、営業利益およびROE(株主資本利益率)は目標を大幅に上回る見込みとなった。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る