松田産業は22年3月期3Q累計大幅増収増益、通期は3回目の上振れ余地

(決算速報)
 松田産業<7456>(東1、新市場区分プライム)は2月10日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。貴金属関連事業、食品関連事業とも好調に推移して大幅増収増益だった。通期予想を据え置いたが、3回目の上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げる展開だったが売り一巡感を強めている。好業績を再評価して出直りを期待したい。

■22年3月期3Q累計大幅増収増益、通期も大幅増収増益予想

 22年3月期第3四半期累計の連結業績(収益認識会計基準適用だが利益への影響は軽微)は、売上高が前年同期比21.8%増の1360億41百万円、営業利益が98.1%増の72億69百万円、経常利益が2.1倍の78億34百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が99.9%増の54億69百万円だった。

 貴金属関連事業、食品関連事業とも好調に推移して大幅増収増益だった。なお収益認識基準適用の影響額として、売上高が138億76百万円減少、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ47百万円増加している。

 貴金属関連事業は売上高が29.1%増の1427億94百万円で、セグメント利益(営業利益)が57.4%増の82億86百万円だった。一部の貴金属相場下落の影響を受けたが、主力顧客であるエレクトロニクス業界の生産活動が回復し、貴金属リサイクル取扱量および産業廃棄物処理受託が増加した。金製品・銀製品の販売量も増加した。食品関連事業は売上高が0.0%増の608億96百万円で、営業利益が2.1倍の21億76百万円だった。水産品、畜産品、農産品の販売量が増加した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期売上高が701億20百万円で営業利益が41億89百万円、第2四半期は売上高が659億21百万円で営業利益が30億80百万円、第3四半期は売上高が675億93百万円で営業利益が31億94百万円だった。

 通期連結業績予想(21年8月11日に上方修正、21年11月5日に2回目の上方修正)は据え置いて、売上高が21年3月期比12.3%増の2600億円、営業利益が51.8%増の122億円、経常利益が55.3%増の130億円、親会社株主帰属当期純利益が49.2%増の91億円としている。配当予想(21年11月5日に第2四半期末1円、期末1円、合計2円上方修正)も据え置いて、21年3月期比6円増配の44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。

 期後半に向けて、貴金属関連事業における部品不足に伴う主要顧客の一時的減産の影響、白金族など貴金属相場下落の影響、食品関連事業における原燃料価格上昇の影響、サプライチェーン混乱に伴う輸入コスト上昇の影響などを見込んでいるため、通期予想を据え置いているが、第3四半期累計の進捗率は売上高が78.3%、営業利益が85.8%、経常利益が86.7%、親会社株主帰属当期純利益が86.8%と高水準である。通期予想は3回目の上振れ余地がありそうだ。収益拡大基調を期待したい。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げる展開だったが売り一巡感を強めている。好業績を再評価して出直りを期待したい。2月10日の終値は2398円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS348円84銭で算出)は約7倍、時価総額は約693億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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