アイリッジは22年3月期3Q累計大幅増収増益、通期営業利益は従来のレンジ予想上限値見込み

(決算速報)
 アイリッジ<3917>(東マ、新市場区分グロース)は2月10日の取引時間終了後に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。主力のデジタルマーケティング領域が牽引して大幅増収増益だった。通期の営業利益は従来のレンジ予想上限値で着地見込みとした。さらに上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で23年3月期も収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化の影響で昨年来安値を更新する場面があったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■22年3月期営業利益は従来のレンジ予想上限値見込み

 22年3月期第3四半期累計の連結業績(収益認識会計基準適用)は、売上高が前年同期比27.2%増の39億64百万円、営業利益が2億01百万円(前年同期は12百万円)、経常利益が2億円(同21百万円)、親会社株主帰属四半期純利益が1億25百万円(同26百万円の赤字)だった。

 オフラインプロモーション領域でコロナ禍の影響が残ったが、主力のデジタルマーケティング領域が牽引して大幅増収増益だった。収益認識会計基準適用の影響額として、売上高が1億93百万円増加、売上原価が1億15百万円増加、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益が77百万円増加している。

 デジタルマーケティング領域中心の単体ベース売上高は27.2%増の23億18百万円だった。アプリ開発やアプリマーケティング関連が好調に推移した。オフラインプロモーション領域中心の連結子会社Qoil他の売上高は40.0%増の16億46百万円だった。コロナ禍の影響が残ったが、第3四半期は回復傾向となった。利益面では、事業拡大に向けた採用強化で採用費や人件費が増加したが、全体の売上総利益率が1.1ポイント上昇して販管費増加を吸収した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が11億35百万円で営業利益が3百万円、第2四半期は売上高が12億81百万円で営業利益が77百万円、第3四半期は売上高が15億46百万円で営業利益が1億20百万円だった。

 ストック型収益(3ヶ月以上の準委任契約および月額報酬等の合計)の売上高は、第1四半期が4億02百万円(売上構成比35.5%)、第2四半期が4億12百万円(同32.2%)、第3四半期が4億46百万円(同28.8%)だった。FANSHIP導入アプリの合計MAU(平均)は第1四半期が22.6%増の5788万ユーザー、第2四半期が26.6%増の5977万ユーザー、第3四半期が36.7%増の6830万ユーザーだった。

 通期連結業績予想は2月10日付で修正して、売上高が21年3月期比19.2%増の52億円、営業利益が77.0%増の2億円とした。従来予想(売上高48億円~55億円、営業利益1億50百万円~2億円)に対して、営業利益はレンジ予想上限値で着地見込みとした。なお一部の営業外損益の合理的な見積もりが困難として、経常利益と親会社株主帰属当期純利益については引き続き非開示としている。

 第4四半期もオフラインプロモーション領域においてコロナ禍の影響が継続し、さらに来期以降の成長に向けた先行投資を実行するが、第3四半期累計の営業利益が従来のレンジ予想上限値を超過達成したことを考慮して、営業利益はレンジ予想上限値で着地見込みとした。デジタルマーケティング領域が好調であり、さらに上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で23年3月期も収益拡大基調を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化の影響で昨年来安値を更新する場面があったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。2月10日の終値は636円、時価総額は約45億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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