JPホールディングスは22年3月期3Q累計2桁増益で過去最高益、通期予想は再上振れ余地

(決算速報)
 JPホールディングス<2749>(東1、新市場区分プライム)は2月10日の取引時間中に22年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。コロナ禍に対応したオンラインプログラム実施などの取り組みで期中の受入児童数が増加して増収、効率的な施設運営も寄与して2桁増益となり、第3四半期累計として過去最高益を達成した。通期の営業・経常減益予想を据え置いたが再上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は地合い悪化の影響で昨年来安値を更新する展開だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。

■22年3月期3Q累計2桁増益で過去最高益、通期予想は再上振れ余地

 22年3月期第3四半期累計連結業績(収益認識基準適用だが損益への影響なし)は、売上高が前年同期比2.8%増の253億82百万円、営業利益が18.6%増の21億51百万円、経常利益が18.5%増の21億70百万円、親会社株主帰属四半期純利益が28.6%増の7億08百万円だった。なお保育事業で自治体から受け取る補助金収入について、従来の営業外収益に計上する方法から売上高に計上する表示方法に変更した。前年同期の数値も組み替えている。

 売上面は、期初においてはコロナ禍に伴う緊急事態宣言の影響を受けたが、新規施設開設(保育園3園、学童クラブ・児童館8施設)に加えて、コロナ禍に対応したオンラインでプログラム実施や、新たな幼児学習プログラムの導入など「選ばれる園・施設づくり」としての取り組みの効果で、期中の受入児童数が増加した。

 利益面は、新人事制度導入に伴う賞与支給対象期間変更による賞与引当金の増額、システム導入に伴う費用の増加など、特殊要因の影響で費用が増加したが、受入児童数増加による増収効果に加えて、各施設の人員再配置など効率的な施設運営、採用活動や各種備品類の発注体制見直しなど取り組みの効果も寄与して2桁増益だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が83億71百万円で営業利益が1億78百万円、第2四半期は売上高が84億43百万円で営業利益が9億17百万円、第3四半期は売上高が85億68百万円で営業利益が10億56百万円だった。新規施設の開園が概ね4月のため、期前半は各施設への保育士配置に係る費用が先行するが、児童数が増加して稼働率が上昇する期後半に向けて収益が拡大する特性がある。

 通期連結業績予想(21年8月12日付で補助金収入計上方法変更に伴って売上高と営業利益を上方修正、21年11月11日付で売上高・各利益とも上方修正)は据え置いて、売上高が21年3月期比1.2%増の339億円、営業利益が4.5%減の27億30百万円、経常利益が6.4%減の27億60百万円、親会社株主帰属当期純利益が3.3倍の17億60百万円としている。親会社株主帰属当期純利益は前期計上の減損損失が一巡して大幅増益予想である。配当予想は据え置いて60銭増配の4円50銭(期末一括)としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高が74.9%、営業利益が78.8%、経常利益が78.6%、親会社株主帰属当期純利益が79.9%と順調である。期後半に向けて収益が拡大する特性も考慮すれば、通期予想に再上振れ余地がありそうだ。

 第4四半期以降もデジタルを活用した園見学、英語・体操・リトミック・ダンスなどのプログラムのオンライン化、学研ホールディングスとの業務提携による新たな幼児学習プログラムの導入など「選ばれる園・施設づくり」としての取り組みを推進するとともに、22年4月には新規事業として子育て支援プラットフォーム「子育て商品マッチングサービス」を開始する。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。

■株価は反発の動き

 株価は地合い悪化の影響で昨年来安値を更新する展開だったが、調整一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。2月10日の終値は233円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS20円12銭で算出)は約12倍、時価総額は約205億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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