綿半ホールディングスは24年3月期3Q累計営業増益と順調

(決算速報)
 綿半ホールディングス<3199>(東証プライム)は1月30日の取引時間終了後に24年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。売上高は前期に大型物件が集中した建設事業の反動により減収だったが、営業利益は小売事業と貿易事業の好調が牽引して増益だった。そして通期の2桁営業増益予想を据え置いた。第3四半期累計の営業利益進捗率は80%と順調であり、積極的な事業展開により収益拡大基調だろう。株価は順調に水準を切り上げて23年3月の昨年来高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■24年3月期3Q累計営業増益と順調、通期2桁営業増益予想据え置き

 24年3月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比4.4%減の961億44百万円、営業利益が3.5%増の21億80百万円、経常利益が3.4%減の24億85百万円、親会社株主帰属四半期純利益が9.5%増の15億22百万円だった。

 売上高は前期に大型物件が集中した建設事業の反動により減収だったが、営業利益は小売事業と貿易事業の好調が牽引して増益だった。経常利益は営業外収益で出資金運用益が1億17百万円減少したため減益だった。親会社株主帰属四半期純利益は減損損失が90百万円増加したものの、特別利益に固定資産売却益1億87百万円を計上したことに加え、法人税等合計が減少したため1億34百万円減少したため増益だった。

 小売事業は売上高が1.5%増の601億53百万円で、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が13.0%増の11億03百万円だった。増収・2桁営業増益と順調だった。売上面は前期第2四半期にオープンした2店舗(綿半スーパーセンター上田店、綿半スーパーセンター権堂店)も寄与して増収となり、利益面はオリジナル商品の開発加速なども寄与した。

 建設事業は売上高が20.8%減の290億23百万円で、利益が54.2%減の6億33百万円だった。前期に大型物件が集中した反動や住宅市況低迷の影響により減収減益だった。

 貿易事業は売上高が50.7%増の60億22百万円で、利益が189.5%増の10億22百万円だった。納品回数増加などにより大幅増収増益だった。その他(不動産事業など)は売上高が41.4%増の9億45百万円、利益が5.4%減の1億10百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高297億62百万円で営業利益2億40百万円、第2四半期は売上高322億16百万円で営業利益7億92百万円、第3四半期は売上高が341億66百万円で営業利益が11億48百万円だった。第2四半期は第1四半期比で大幅増収増益、第3四半期は第2四半期比で大幅増収増益だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年3月期比2.8%増の1380億円、営業利益が13.4%増の27億24百万円、経常利益が2.0%増の31億20百万円、親会社株主帰属当期純利益が11.9%増の18億50百万円としている。配当予想は23年3月期比1円増配の23円(期末一括)としている。9期連続増配予想で、予想配当性向は24.7%となる。

 セグメント別の計画は、小売事業の売上高が3.6%増の804億35百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が25.9%増の9億60百万円、建設事業の売上高が0.4%増の498億円で利益が0.1%増の18億90百万円、貿易事業の売上高が2.3%増の61億37百万円で利益が27.3%増の7億34百万円としている。各事業とも概ね堅調に推移する見込みだ。

 第3四半期累計の進捗率は売上高70%、営業利益80%、経常利益80%、親会社株主帰属当期純利益82%と順調である。積極的な事業展開により収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は順調に水準を切り上げて23年3月の昨年来高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。1月30日の終値は1458円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS92円99銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想の23円で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1068円23銭で算出)は約1.4倍、そして時価総額は約291億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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