カナモトは先行投資で22年10月期1Q減益だが通期増益予想据え置き

(決算速報)
 カナモト<9678>(東1、新市場区分プライム)は3月4日の取引時間終了後に22年10月期第1四半期連結業績を発表した。公共投資が堅調に推移したが、将来を見据えた先行投資で販管費が増加したため減益だった。通期増益予想は据え置いた。災害復旧・防減災・老朽化インフラ更新など国土強靭化関連工事で需要が堅調であり、通期ベースでは収益拡大基調だろう。なお株主優待制度変更も発表した。22年10月末対象から保有株式数および継続保有期間に応じて優待品を贈呈する方法に変更する。株価は地合い悪化の影響で反発力が鈍く昨年来安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■22年10月期1Q減益だが通期増益予想据え置き

 22年10月期第1四半期の連結業績(収益認識会計基準適用のため売上高の前年同期比増減率は非記載、利益への影響なし)は、売上高が467億30百万円、営業利益が16.2%減の33億11百万円、経常利益が16.0%減の35億09百万円、親会社株主帰属四半期純利益が8.5%減の20億72百万円だった。

 公共投資が堅調に推移したが、将来を見据えた人材投資など、先行投資で販管費が増加したため減益だった。なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ9億07百万円減少しているが、利益への影響はなかった。

 建設関連は売上高が426億36百万円で営業利益が18.3%減の29億01百万円だった。売上面では、建設機械のレンタル需要が本格回復に至らない状況だったが、国土強靭化対策をはじめとする公共投資が概ね堅調に推移した。中古建機販売はレンタル用資産の運用期間延長を進めているため40.0%減収だった。その他事業は売上高が40億94百万円で営業利益が1.4%増の2億87百万円だった。鉄鋼関連、情報関連、福祉関連とも堅調だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が1911億円、営業利益が21年10月期比6.7%増の156億円、経常利益が2.7%増の158億円、親会社株主帰属当期純利益が8.9%増の97億円としている。配当予想は5円増配の75円(第2四半期末35円、期末40円)としている。

 公共投資を中心に需要が堅調に推移して増収増益・増配予想としている。中期経営計画の目標達成に向けて、国内営業基盤の拡充、海外展開、内部オペレーションの最適化を推進する。さらに社会資本の維持補修分野や再生可能エネルギー分野への対応も強化する方針だ。第1四半期は先行投資で減益だったが、災害復旧・防減災・老朽化インフラ更新など国土強靭化関連工事で需要が堅調であり、通期ベースでは収益拡大基調だろう。

 なお株主優待制度変更(詳細は会社HP参照)も発表した。22年10月末対象から保有株式数および継続保有期間に応じて優待品を贈呈する方法に変更する。

■株価は調整一巡

 株価は地合い悪化の影響で反発力が鈍く昨年来安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。3月4日の終値は2214円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS257円56銭で算出)は約9倍、時価総額は約858億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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