マルマエは22年8月期2Q累計大幅増収増益、通期上振れの可能性

(決算速報)
 マルマエ<6264>(東1、新市場区分プライム)は3月30日の取引時間終了後に22年8月期第2四半期累計業績(非連結)を発表した。受注が好調に推移して大幅増収増益だった。通期予想を据え置いたが上振れの可能性が高く、収益拡大基調だろう。株価は調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績を評価し、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。

■22年8月期2Q累計大幅増収増益、通期上振れの可能性

 22年8月期第2四半期累計の業績(非連結、収益認識会計基準適用だが損益への影響は軽微、2月9日付で上方修正)は、売上高が前年同期比72.3%増の39億62百万円、営業利益が2.8倍の11億75百万円、経常利益が2.8倍の11億71百万円、四半期純利益が2.8倍の8億37百万円だった。受注が好調に推移して大幅増収増益だった。収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高と売上原価がそれぞれ27百万円減少したが、損益への影響は軽微である。

 全社ベースの受注高は前年同期比93.7%増の48億93百万円(分野別には半導体分野が87.7%増の37億31百万円、FPD分野が2.6倍の10億14百万円、その他分野が2.6%増の1億47百万円)だった。分野別売上高は半導体分野が60.2%増の29億96百万円、FPD分野が2.8倍の7億81百万円、その他分野が22.6%減の73百万円だった。半導体分野は良好な市場環境が継続している。FPD分野は市場環境改善とシェア拡大が牽引した。その他分野は太陽電池製造装置部品の受注が増加した。

 コスト面では、材料費、外注加工費、労務費、減価償却費、研究開発費などが増加し、第2四半期に受注損失引当金が増加したが、増収効果や稼働率上昇効果で吸収した。売上総利益率は39.1%で8.2ポイント上昇した。販管費は30.5%増加したが、販管費比率は9.4%で3.1ポイント低下した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が19億38百万円で営業利益が5億95百万円、第2四半期は売上高が20億24百万円で営業利益が5億81百万円だった。

 通期予想(収益認識会計基準適用、前期比増減率は適用前の21年8月期実績との比較)は据え置いて、売上高が21年8月期比34.1%増の72億円、営業利益が49.1%増の18億円、経常利益が48.3%増の17億80百万円、当期純利益が38.0%増の12億45百万円としている。配当予想(2月9日付で第2四半期末4円、期末4円、合計8円上方修正)は、21年8月期比20円増配の44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。

 需要が高水準に推移して大幅増収増益・過去最高更新予想としている。売上高の計画は、半導体分野が40.0%増の59億08百万円、FPD分野が27.7%増の10億70百万円、その他分野が32.1%増の2億22百万円としている。

 市場シェア拡大に向けて設備投資を増額(1月17日付でリリース)し、採用投資(採用増に加えて労働分配率も向上方針)も積極的に実行するため、中期経営計画の22年8月期営業利益目標値20億円に対して若干未達の予想としている。ただし、第2四半期累計の進捗率は売上高が55.0%、営業利益が65.3%、経常利益が65.8%、当期純利益が67.2%と高水準である。通期予想は上振れの可能性が高く収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は調整一巡して切り返しの動きを強めている。好業績を評価し、利益確定売りをこなしながら上値を試す展開を期待したい。3月30日の終値は2758円、今期予想PER(会社予想のEPS97円30銭で算出)は約28倍、そして時価総額は約360億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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