日本エム・ディ・エムは23年3月期も営業・経常増益で連続増配予想

(決算速報)
日本エム・ディ・エム<7600>(東証プライム)は4月28日の取引時間終了後に22年3月期連結業績を発表した。コロナ禍の影響が和らぎ、症例数が回復基調となって大幅増収増益だった。そして23年3月期も営業・経常増益で連続増配予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い展開だが徐々に下値を切り上げている。好業績を評価して出直りを期待したい。

■22年3月期大幅増収増益、23年3月期営業・経常増益で連続増配予想

22年3月期の連結業績(収益認識会計基準適用だが利益への影響なし)は、売上高が21年3月期比14.7%増の191億93百万円、営業利益が22.7%増の26億61百万円、経常利益が21.9%増の25億91百万円、親会社株主帰属当期純利益が28.3%増の21億35百万円だった。配当は1円増配の12円(期末一括)とした。

コロナ禍の影響が和らぎ、症例数が回復基調となって大幅増収増益だった。特別利益には米国で発生した債務免除益3億10百万円を計上した。なお収益認識会計基準適用の影響額として、売上高と販管費がそれぞれ2億86百万円減少したが、営業利益、経常利益、税金等調整前当期純利益への影響はなかった。

セグメント別に見ると、日本国内は売上高が9.6%増の121億22百万円で営業利益が32.6%増の18億44百万円、米国は売上高が17.4%増の108億68百万円で営業利益が1.4%増の8億39百万円だった。米国の外部顧客向け売上高は米ドルベースでは17.2%増収となり、円換算後では24.6%増の70億70百万円だった

医療機器類の分野別売上高は、人工関節分野が合計17.0%増の117億64百万円(日本が7.3%増の47億19百万円、米国が24.5%増の70億44百万円)、骨接合材料分野(日本)が11.3%増の41億15百万円、脊椎固定器具分野が合計21.4%増の31億51百万円(日本が21.2%増の31億25百万円、米国が51.9%増の26百万円)、人工骨分野(日本)が1.1%増の2億16百万円、その他(日本)が33.0%増の2億31百万円だった。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が45億37百万円で営業利益が5億54百万円、第2四半期は売上高が43億21百万円で営業利益が5億04百万円、第3四半期は売上高が51億20百万円で営業利益が9億33百万円、第4四半期は売上高が52億15百万円で営業利益が6億70百万円だった。なお整形外科医療機器の販売は下期が繁忙期となる傾向があり、業績も下期の構成比が高い季節特性がある。

23年3月期の連結業績予想は、売上高が22年3月期比14.6%増の220億円、営業利益が5.2%増の28億円、経常利益が4.2%増の27億円、親会社株主帰属当期純利益が特別利益の一巡で13.4%減の18億50百万円としている。想定為替レートは1米ドル=128円としている。配当予想は1円増配の13円(期末一括)としている。連続増配である。

日本国内における償還価格引き下げや為替の円安進行がマイナス要因となるが、コロナ禍の影響がさらに和らぎ、自社製品比率の上昇や医療工具コストの削減なども寄与して増収、営業・経常増益予想としている。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は下値切り上げ

株価は地合い悪化も影響して反発力の鈍い展開だが徐々に下値を切り上げている。好業績を評価して出直りを期待したい。4月28日の終値は1587円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS70円12銭で算出)は約23倍、そして時価総額は約420億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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