ファンデリーは23年3月期黒字転換予想

(決算速報)
 ファンデリー<3137>(東証グロース)は4月28日の取引時間終了後に22年3月期業績(非連結)を発表した。コロナ禍の影響で売上が伸び悩み、各利益は赤字で着地した。また特別損失に減損損失を計上し、配当は無配とした。23年3月期については、MFD事業の再成長への回帰、CID事業の損益改善、マーケティング事業の伸長で黒字転換・復配予想としている。コロナ禍影響の緩和や積極的な事業展開で収益回復を期待したい。株価は上場来安値圏で軟調だがほぼ底値圏だろう。売り一巡して出直りを期待したい。

■22年3月期赤字着地、23年3月期黒字転換予想

 22年3月期の業績(非連結)は売上高が21年3月期比2.0%増の31億23百万円、営業利益が1億77百万円の赤字(21年3月期は5億53百万円の赤字)、経常利益が1億58百万円の赤字(同5億59百万円の赤字)、当期純利益が特別損失にCID事業に係る減損損失17億77百万円を計上して19億48百万円の赤字(同3億74百万円の赤字)だった。収益認識会計基準適用の影響は軽微だった。

 前期比では増収となり、原価改善や販管費抑制なども寄与して営業・経常赤字が縮小したが、コロナ禍の影響で売上が伸び悩み、前回予想(売上高38億74百万円、営業利益1億円の黒字、経常利益92百万円の黒字、当期純利益68百万円の黒字)を下回り、各利益は赤字で着地した。配当は無配とした。そして役員報酬の減額を実施(22年5月~6月)する。

 MFD事業は売上高が8.5%減の24億45百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が15.1%減の5億17百万円だった。コロナ禍に伴う外来患者減少や営業制限などで病院等の紹介ネットワークを通じた顧客獲得が想定を下回った。新規顧客数は第1四半期が2744人、第2四半期が2437人、第3四半期が2722人、第4四半期が2259人だった。

 CID事業は売上高が2億32百万円(21年3月期は29百万円)で、利益が7億50百万円の赤字(同11億02百万円の赤字)だった。新規顧客数は減少だが、リピート注文が増加した。利益面は損益分岐点に達していないため赤字継続だが、前期に比べて赤字幅が縮小した。

 マーケティング事業は売上高が23.7%増の4億45百万円、利益が28.8%増の3億31百万円だった。前回予想を下回ったが、業務受託の獲得などで売上高、利益とも過去最高となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が7億88百万円で営業利益が13百万円の赤字、第2四半期は売上高が8億10百万円で営業利益が31百万円の黒字、第3四半期は売上高が8億03百万円で営業利益が6百万円の黒字、第4四半期は売上高が7億22百万円で営業利益が2億01百万円の赤字だった。

 23年3月期業績(非連結)予想は、売上高が22年3月期比2.5%増の32億円、営業利益が1億05百万円の黒字(22年3月期は1億77百万円の赤字)、経常利益が1億14百万円の黒字(同1億58百万円の赤字)、当期純利益が79百万円の黒字(同19億48百万円の赤字)としている。配当予想は復配の3円(期末一括)としている。

 セグメント別の計画は、MFD事業の売上高が22年3月期比0.5%増の24億58百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が1.7%増の5億27百万円、CID事業の売上高が4.1%増の2億42百万円で利益が4億83百万円の赤字(22年3月期は7億50百万円の赤字)、そしてマーケティング事業の売上高が12.3%増の5億円で利益が10.0%増の3億68百万円としている。

 MFD事業はプラス成長への回帰を目指す。22年4月から医療機関への訪問を再開し、さらに本社・大阪支社および新設した神奈川支社の3拠点で専任の担当者を配置した。CID事業は「AI旬すぐ」会員獲得や損益改善を推進する。マーケティング事業は引き続き過去最高を目指す。コロナ禍影響の緩和や積極的な事業展開で収益回復を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は上場来安値圏で軟調だがほぼ底値圏だろう。売り一巡して出直りを期待したい。4月28日の終値は319円、今期予想PER(会社予想のEPS12円49銭で算出)は約26倍、時価総額は約21億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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