ディ・アイ・システムは22年9月期2Q累計増益着地、通期も上振れの可能性

(決算速報)
 ディ・アイ・システム<4421>(東証スタンダード)は5月13日に22年9月期第2四半期累計連結業績を発表した。主力のシステムインテグレーション事業が好調に推移し、従来の減益予想から一転して増益で着地した。そして期末配当予想を上方修正した。第2四半期累計の進捗率が高水準であり、通期連結業績予想も上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏でモミ合う形だが、好業績を評価して出直りを期待したい。

■22年9月期2Q累計は計画超で増益着地、通期予想も上振れの可能性

 22年9月期第2四半期累計連結業績(収益認識会計基準適用のため前年比増減率は非記載、損益への影響軽微)は、売上高が25億47百万円、営業利益が1億87百万円、経常利益が1億86百万円、親会社株主帰属四半期純利益が1億27百万円だった。

 前回予想に対して、売上高は27百万円、営業利益は61百万円、経常利益は60百万円、親会社株主帰属四半期純利益は43百万円、それぞれ上振れて着地した。主力のシステムインテグレーション事業の売上高が新規顧客獲得や既存顧客との取引拡大などで想定を上回り、元請比率の上昇、エンジニアの効率的な稼働、経費削減なども寄与した。

 なお収益認識会計基準適用の影響額として、従来方法に比べて売上高が8百万円増加、売上原価が3百万円増加、営業利益、経常利益、税金等調整前四半期純利益がそれぞれ4百万円増加したが、影響は軽微である。収益認識会計基準適用前の前年同期(売上高22億54百万円、営業利益1億75百万円、経常利益1億75百万円、親会社株主帰属四半期純利益1億21百万円)との単純比較では増収増益の形となる。

 システムインテグレーション事業は売上高が13.2%増の25億22百万円で利益(全社費用等調整前営業利益)が14.1%増の5億75百万円、教育サービス事業は売上高が7.1%減の24百万円で利益が20.5%減の3百万円だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が12億07百万円で営業利益が33百万円、第2四半期は売上高が13億40百万円で営業利益が1億54百万円だった。顧客の検収時期の関係で第2四半期(1月~3月)および第4四半期(7月~9月)の構成比が高くなる傾向がある
 
 通期連結業績予想(収益認識会計基準適用のため前年比増減率は非記載、損益への影響軽微)は据え置いて売上高が54億24百万円、営業利益が2億41百万円、経常利益が2億40百万円、親会社株主帰属当期純利益が1億61百万円としている。配当予想は5月13日付で期末1円50銭上方修正して、21年9月期比1円50銭増配の14円(期末一括)とした。

 収益認識会計基準適用前の21年9月期との単純比較で売上高は16.5%増収、営業利益は18.0%増益、経常利益は15.8%増益、親会社株主帰属当期純利益は8.4%増益で、実質的に増収増益予想となる。

 セグメント別の計画は、システムインテグレーション事業の売上高が16.6%増の51億38百万円で利益が16.0%増の9億94百万円、教育サービス事業の売上高が15.5%増の2億86百万円で利益が21.7%増の1億円としている。

 さらなる成長に向けて顧客企業のDX推進を支援するためのサービス提供を拡充させる方針だ。不透明感を考慮して通期予想を据え置いたが、第2四半期累計の進捗率は売上高が47.0%、営業利益が77.5%、経常利益が77.7%、親会社株主帰属当期純利益が78.6%と高水準である。通期予想も上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は出直り期待

 株価は地合い悪化も影響して年初来安値圏でモミ合う形だが、好業績を評価して出直りを期待したい。5月17日の終値は710円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS54円39銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約2.0%、そして時価総額は約22億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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