国債先物が一時急落(利回り急上昇)、日米金利差による円安が注視される中、日米の金融政策会合が迫り神経質に

■14時頃から一時急落しサーキット・ブレーカー発動される

 日本取引所グループ<8697>(東証プライム)の大阪取引所で売買されている債券先物(国債の先物)が6月15日の午後、14時頃から一時急落(利回りは急上昇)し、売買中心となっている10年国債の先物9月物が一時、1円79銭安の145円80銭まで下げ、取引所は売買を制限するサーキット・ブレーカーを発動したと伝えられた。

 要因としては、日銀が債券の現物市場に向けて午前中に通知した国債の「指し値買いオペ(買いオペレーション)」で、買付対象とする国債の銘柄に満期まで7年の銘柄が加えられたことのようだ。満期まで7年の銘柄(残存7年)は、先物市場で現物渡しに用いられる頻度が高いとされ、仮に日銀がこれを大量に買い取れば残存7年債は品薄になり、先物市場に影響が出かねなくなる。

 加えて、大幅利上げの観測が出ている米国の金融政策会合FOMC(連邦公開市場委員会)の結果が日本時間の16日未明に発表される予定である上、日銀の金融政策決定会合は6月16、17日に予定されるため、債券市場は日米の金融政策を巡って神経質になっていても不思議ではなく、思惑・憶測が強まりやすい状況だったといえる。

 日銀の「指し値買いオペ」は利回り(=金利)上昇を防ぐ方向に作用するものだったが、米国の利上げによって日米の金利差が拡大すれば、円相場をさらに円安方向に押す要因になる。このため、債券市場では、円安進行を防ぐ意味で日銀も国内金利を一部限定で上昇方向に誘導する可能性があるといった予想が拭えなかったとの見方が出ている。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京・愛知・兵庫で屋外広告も掲出、号外や無料バッティング企画も実施  Major League …
  2. ■新生児対象の臨床試験で抗炎症作用と菌叢改善を実証  森永乳業<2264>(東証プライム)は7月2…
  3. ■「日本栄養・食糧学会大会」で研究成果発表、科学的根拠を提示  味の素<2802>(東証プライム)…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  2. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  3. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  4. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…
  5. ■東京株、NYダウ反落と首相辞任で先行き不透明  東京株式市場は米国雇用統計の弱含みでNYダウが反…
  6. ■株式分割銘柄:62社に拡大、投資単位引き下げで流動性向上  選り取り見取りで目移りがしそうだ。今…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る