【編集長の視点】アイリッジは最安値も先駆ビジネスモデルの高成長性を評価し直近IPO株人気が再燃も

編集長の視点

アイリッジ<3917>(東マ)は、350円安の5660円と3営業日続落して始まり、今年7月21日につけた上場来安値値5710円を下抜いている。

中国・上海株の急落を嫌って前日の米国ニューヨーク・ダウ工業株30種平均が、5日続落し、つれてきょう28日の日経平均株価が、256円安と3営業日続落のスタートとなったことで同社株にも売り先行となっている。ただ、この最安値水準では下値抵抗力も示し60円安まで下げ幅を縮小させており、今年7月16日に新規株式公開(IPO)された先駆ビジネスモデルを展開する内需高成長株と評価して直近IPO株買いが下値に交錯している。

16日のIPO時には、公開価格1200円に対して上場3日目に初値を6350円でつけ今年のIPO株では最大の初値倍率5.29倍となり、初値後はストップ高となる上場来高値7350円まで買い進まれた値動きの軽さも、今後の買い手掛かりとなりそうだ。

■O2Oサービスを大手300社が導入しユーザー数は2154万人

同社は、インターネットを通じて企業の営業活動を支援するモバイルマーケティング事業を展開しており、自社開発のサービス「popinfo」によって消費者をインターネット(オンライン)上のwebサイトから実店舗(オフライン)への集客や販売促進につなげる「O2Oビジネス」のリーディングカンパニーとなっている。同ビジネスは、他社に先駆けて2009年からスタートさせ、大手企業を中心に300社以上の企業のアプリに導入され、利用ユーザー数は、今年2015年4月現在で2154万人に達している。

スマートフォン向けのO2O市場は、初期の2011年の88億円が2013年に492億円、2014年に750億円と推移、今年2015年は1200億円、2020年には2356億円と高成長が観測されており、同社の業績も好調に推移している。今2015年7月期業績は、売り上げ7億3300万円(前期比53.2%増)、経常利益1億500万円(同3.8倍)、純利益6900万円(同4.0倍)と予想している。

今後も、高成長する国内O2O市場での新規顧客開拓に加え、アジア圏からの訪日観光客をターゲットとするインバウンド対応やパートナーと連携した中国・東南アジア各国での海外展開などの成長戦略を推進する。

■初値倍率は5.2倍も先行人気IPO株を連想して上値チャレンジ

株価は、IPO初日、2日目は買い気配値を切り上げたまま推移し、3日目に公開価格比5.29倍の初値倍率で6350円で初値をつけ、5710円安値と下ぶれたものの切り返し、初値比でストップ高と今年最大のIPO株人気となった。このあと全般相場の波乱で再度、下値を探っているものの、直近IPO株人気の再燃期待が強い。昨年11月27日にIPOされ初値倍率が5.6倍と昨年のIPOで最高となったCRI・ミドルウェア<3698>(東マ)は、その後、上場来高値までさらに8.5倍の大化けを演じており、連想を強めて最安値からの上値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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