【編集長の視点】グリーンズは続伸業績・大幅増配を見直し割安インバウンド株買いが再燃

編集長の視点

■年初来高値抜けから次の上値目標は上場来高値

 グリ-ンズ<6547>(東証スタンダード)は、前日7日に74円高の1750円と3営業日ぶりに急反発して引け、東証スタンダード市場の値上がり率ランキングの30位にランクインする高人気となった。同社の今2024年6月期業績が、経常利益と純利益は前期の過去最高から減益転換するが、営業利益は増益を見込んで市場コンセンサスを上回り、配当は、前期の復配に続き大幅増配を予定していることを見直し割安インバウンド買いが再燃した。日中関係が、福島原発の処理水の海洋放出で緊迫化し、中国の大型連休の国慶節に解禁された団体旅行がキャンセルされたと伝わり、同社の株価も下ぶれ下値を試していたが、いずれも下ヒゲに終わって下値抵抗力を示しており、織り込みつつあるとの期待も底流している。

■客室稼働率がコロナ禍前に回復し客室単価も過去最高を記録

 同社の今2024年6月期業績は、売り上げ380億円(前期比4.3%増)、営業利益37億円(同0.1%増)、経常利益34億円(同2.6%減)、純利益33億円(同21.3%減)と増減マチマチの予想となっている。前期の純利益は、期中に2回も上方修正され41億9100万円(前々期は21億7800万円の赤字)と4期ぶりに黒字転換して過去最高(15億900万円)を大幅に更新した。全国に97店舗展開しているホテルの客室稼働率が、前々期8.4ポイントの80.9%と新型コロナウイルス感染症の感染拡大前の2019年6月期並みに上昇し、客室単価も、今年5月度に過去最高を記録するなど同29.7%増の7921円となったことなどが寄与した。これに対して今期純利益は、本業の好調推移は続くものの、前期に計上した営業時間短縮の感染拡大防止協力金や固定資産の売却益の一巡、さらに法人税の平準化などで前期比21.3%減と見込んでいる。

 ただ新型ウイルス感染症の感染法上のランクが「5類」に引き下げられてリオ―プン(経済活動再開)に拍車がかかり、水際対策緩和に伴うインバウンド需要の拡大も続いている。福島原発の処理水の海洋放出でキャンセル続出と伝わった中国の日本向けの団体旅行も、9月29日からスタートする中国の国慶節以降の実際の動向が要注目となる。動向次第では、今期業績も前期と同様に上ぶれ推移の可能性が出てくる。なお配当は、前期に年間9円と3期ぶりに復配したが、今期は年間20円に大幅増配を予定している。

■陽線包み足示現でPER7倍の割安修正に弾みをつけ上場来高値を目指す

 株価は、年初来安値972円から新型コロナウイルス感染症の感染縮小や全国旅行支援などの観光振興策とともに底上げし、前期業績の1回目の上方修正で1561円へ上昇し、2回目の業績上方修正では材料出尽くし感から1160円と調整したものの、中国の日本向け団体旅行解禁に今期業績の続伸・大幅増配予想が加わって年初来高値1888円まで買い進まれ、25日移動平均線が75日移動平均線を上抜くゴールデン・クロス(GC)を示現した。その後に処理水海洋放出による日中関係の緊迫化では、下ヒゲで1660円を試し、前日7日の急反発では陽線包み足を示現して上昇転換を示唆した。PERは7.3倍と割安であり、年初来高値抜けから次の上値目標として2018年1月につけた上場来高値1960円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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