【編集長の視点】PCIホールディングスはもみ合いも続伸業績、相次ぐ成長戦略を見直してなお下げ過ぎ訂正買いが継続

 PCIホールディングス<3918>(東1)は、44円高の2519円と3営業日続伸して始まったあと、45円安と下押すなど前週末25日終値を挟んでもみ合っている。きょう28日に日経平均株価が、118円安と8営業日ぶりに反落してスタートしたことから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が交錯している。ただ下値には、同社が、今年11月10日に9月期決算を発表、期初予想を上ぶれて着地した前期業績に続いて、今期業績も増収増益を予想しており、これを見直して下げ過ぎ訂正買いが根強く続いている。前週末25日にはシスウェーブ(東京都品川区)の株式を取得して子会社化を発表、自動車や通信関連のIoT(モノのインターネット化)事業の成長戦略を加速させることも、自動運転ベンチャーのZMP<7316>(東マ)の今年12月19日の新規株式公開(IPO)を控え、テーマ株人気を高めフォローの材料視されている。

■IoT活用ニーズの顕在化など事業環境は良好で新規分野にも積極参入

 同社の前2016年9月期業績は、期初予想より売り上げが5400万円、利益が1000万円~4300万円上ぶれて着地したあと、今2017年9月期業績は、売り上げ90億円(前期比5.8%増)、営業利益6億3000万円(同6.8%増)、経常利益6億3500万円(同7.3%増)、純利益4億2000万円(同4.2%増)と予想され、続伸する。所属する情報サービス産業の事業環境は、企業のIoT(モノのインターネット化)活用ニーズの顕在化や、IT利活用の高度化・多様化などで堅調に推移するとともに、IT技術者不足が常態化しており、主力のエンベデットソリューション事業で、通信・組込み制御技術やアプリケーション開発力などを核に既存事業を続伸させるほか、ビジネスパートナーとのアライアンス強化による技術者確保により事業を拡大し、IoT関連技術を活かした協業事業により新規事業へ参入、成長戦略を積極化していることなどが要因となる。

 この成長戦略では、前週末25日にソルガム・ジャパン・ホールディングス<6636>(JQS)から6億6000万円でシスウェーブの株式を取得して子会社化してIoT/IoEソリューション事業を加速させる。このほか新規事業への展開では、今年8月にジャパンインベストメントアドバイザー<7172>(東マ)と業務提携の覚書を締結し金融とIT技術を融合させるFineTech領域へ参入したのに続き、10月には瞬間的にCG(コンピュータグラフィックス)を表示する技術を保有するプリズムプラス(東京都中野区)と業務提携しVR/AR(仮想現実/拡張現実)分野での展開力を強めている。

■分割落ち後調整幅の3分の1戻し水準の値固めは最終で半値戻し・全値戻しに再発進

 株価は、昨年8月に2530円を公開価格にIPO(新規株式公開)され6820円で初値をつけ、再三のストップ高を交えて上場来高値1万2330円まで買い進まれ、今年3月27日を基準日にした株式分割(1対2)の権利を6530円で落とした。権利落ち後は、落ち後高値3400円から英国の「欧州連合離脱」ショックで落ち後安値1802円へ突っ込み、今年8月の東証1部への市場変更で2653円高値をつけ、プリズムプラス提携では2740円の戻り高値をつけ、足元では落ち後高値から同安値への下げ幅の3分の1戻し水準で値固めがほぼ最終となり半値戻しを窺っている。半値戻しから全値戻しへ再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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