【注目銘柄】ノーリツ鋼機は今期純益20倍増益、PER0.9倍を買い直す

注目銘柄

 ノーリツ鋼機<7744>(東証プライム)は、1月4日につけた年初来高値2793円を意識する動きを強めている。今2022年12月期純利益が、前期比20倍増益と予想され、PER評価も0.9倍と1倍台の大手海運株より割安で東証全市場の低PERランキングのトップに位置していることが、再び買い手掛かりとなった。本業自体も好調で今期業績が上方修正され、配当も、前期よりは減配となるものの高水準が予定されていることも後押し材料視されている。

■子会社株式売却益に円安・ドル高進行による為替差益もオン

 同社の今2022年12月期純利益は、今年8月12日に上方修正され期初予想を49億円引き上げ1026億円(前期比20.05倍)とV字回復を見込み、2期ぶりに過去最高を大幅に更新する。医療データサービスの子会社・JMDC<4483>(東証プライム)の一部株式をオムロン<6645>(東証プライム)に譲渡し、株式売却益940億円を計上することが、直接の要因となる。

 ただ本業も好調で、音響機器関連のAlpha Thetaの販売好調、円安・ドル高進行により今12月期業績を上方修正した。営業利益は期初予想の据え置きとしたが、売り上げを72億円、経常利益を12億円、純利益を49億円引き上げ売り上げ734億円(前期比34.7%増)、営業利益70億円(同15.4%増)、経常利益66億円(同24.1%増)、純利益1026億円(同20.05倍)と見込んでいる。配当は、子会社株式の一部譲渡・売却益発生とともに、前期配当を前々期比18円増配する普通配当38円に特別配当160円を上乗せして年間198円(前々期実績20円)に大幅増配したが、今期も、普通配当を42円に連続増配するとともに、特別配当110円をオンさせて年間152円の高配当継続を予定している。

■PBRも0・8倍、配当利回りも5.7%と割安でまず年初来高値を奪回

 株価は、年初来安値1725円から今期業績の上方修正・前期配当の大幅増配を歓迎してストップ高を交えて2216円高値まで買い進まれ、再調整安値1806円からは今期第1四半期の好業績、今期業績の上方修正と続いて2649円の戻り高値まで買い直され、上昇トレンド転換した25日移動平均線で下値を確かめて戻り高値を上抜いてきた。それでもまだPERは0.92倍、PBRは0・84倍、年間配当利回りは5.73%の評価でしか過ぎず、この割安修正からもまず年初来高値2793円を奪回し、昨年3月高値2910円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る