アイリッジと東急建設はRFIDとスマホを活用した建設DX「工具ミッケ」を共同開発

■鉄道工事現場を皮切りに計20箇所への導入を目指す、10月から販売開始

 アイリッジ<3917>(東証グロース)と東急建設<1720>)は、RFID(無線自動識別)タグとスマートフォンアプリを活用した建設DXサービス「工具ミッケ」を共同開発し、10月1日より販売を開始すると発表した。PoC(Proof of Concept:概念実証)では最大8割程度の工数削減効果が認められており、10月中に東急建設の5箇所の現場での導入も決定している。

 近時コロナ禍を背景にDXへの危機感が強まり、なかでも建設業界は、働き方改革関連法によって2024年4月以降、時間外労働の上限規制が適用になるため、DXによる業務効率化が急務となっている。

 アイリッジでは、東急電鉄など延べ20社近くの鉄道事業者のアプリ開発を行っており、鉄道工事の現場においても、工具管理を、ITの導入で精度を担保しつつ作業工数を削減したいという声が多く聞かれるようになった。 このような背景を受け、アイリッジでは RFID タグとスマートフォンアプリを活用して工具管理のDXを実現するツールを企画しプロトタイプを開発、この取り組みは、「東急アクセラレートプログラム(現:東急アライ アンスプラットフォーム)」を通じて実現し、2020年度に登壇したTAP Demo Dayで「 SOIL賞」を受賞した。その後、両社で共同開発を開始し、これをもとにPoCを複数回実施しサービス化したのが「工具ミッケ」である。

 「工具ミッケ」は、工事現場で使う工具の照合作業を自動化し、管理業務の縮減と生産性向上を実現する、建設DXサービスである。月額5万円から利用可能で、RFIDの利用にあたって必要となる、電波法に基づく総務省への各種申請手続き代行もサービス内に含まれている。2019年に電波利用申請の新たな局種として「陸上移動局」が施行されたことを踏まえ、特定されない作業場所や、移動車両による設備点検での使用を想定した機動性の高い設計となっている。消費者向けアプリ開発で培ってきたノウハウに基づく使いやすいUI(ユーザーインターフェース)が特長で、現場職員一人ひとりが各自のスマートフォンアプリから情報更新や確認を行えるため、現場へのノートPCの持ち込みも不要である。

 また、「工具ミッケ」では、ひとまとめにした工具類の上にRFIDスキャナをかざすだけでスマートフォンアプリ上のリストと照合でき、PoCではトラック1台分程の工具類でも1分かからず照合~作業報告完了までできており、ターミナル駅の工事現場など、大規模な現場ほど工数削減の効果が期待できる。

 今後は、10月中に東急建設の工事現場5箇所での本格導入を進めるとともに、アイリッジと取引実績のある鉄道会社の建設現場を中心に2022年度中は20箇所の展開を目指すとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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