アイリッジは23年3月期2Q累計赤字だが通期大幅営業増益(レンジ)予想据え置き

(決算速報)
 アイリッジ<3917>(東証グロース)は11月11日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。新規事業領域への先行投資の影響などで赤字だった。ただし概ね計画水準だったとして通期の大幅営業増益(レンジ)予想を据え置いている。大型案件の増加により期初時点で下期偏重の計画としている。FANSHIP導入アプリのMAU増加に伴ってストック型収益が拡大基調であり、下期は子会社フィノバレーのデジタル地域通貨プラットフォーム事業の収益が想定以上に寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は反発力が鈍くモミ合う形だが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。

■23年3月期2Q累計赤字だが通期大幅営業増益(レンジ)予想据え置き

 23年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比9.3%減の21億91百万円、営業利益が26百万円の赤字(前年同期は80百万円の黒字)、経常利益が23百万円の赤字(同79百万円の黒字)、親会社株主帰属四半期純利益が7百万円の赤字(同43百万円の黒字)だった。

 OMO領域オフラインマーケティング関連の子会社Qoilがコロナ禍の影響で減収となり、新規事業領域への先行投資も影響して赤字だった。ただし全体として概ね計画水準だったとしている。

 OMO領域オンラインマーケティング関連の単体ベース売上高は4.7%増の15億42百万円だった。スマホアプリ開発を中心に高水準の引き合いが継続し、ストック型収益も伸長した。第2四半期(平均)のFANSHIP導入アプリのMAU(FANSHIP導入アプリを月に1回以上起動しているユーザー数、四半期平均)は36.3%増の8145万ユーザーとなった。

 OMO領域オフラインマーケティング関連の子会社Qoil+デジタル地域通貨関連の子会社フィノバレーの売上高(連結数値から単体数値を減じて算出、連結修正含む)は31.2%減の6億49百万円だった。フィノバレーは増収で2Qに黒字転換したが、Qoilはコロナ禍の影響が継続して新規顧客獲得が遅れた。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が10億27百万円で営業利益が45百万円の赤字、第2四半期は売上高が11億63百万円で営業利益が18百万円の黒字だった。ストック型収益(月額報酬・ライセンス等、3ヶ月以上の準委任契約)は第1四半期が4億57百万円、第2四半期が4億86百万円、ストック型収益の売上構成比は第1四半期が44.5%、第2四半期が41.9%だった。FANSHIP導入アプリのMAU増加に伴ってストック型収益が拡大基調である。

 通期の連結業績予想(OMO領域オフラインマーケティング関連へのコロナ禍の影響の不透明感を考慮して売上高と営業利益はレンジ予想、経常利益と親会社株主帰属当期純利益は非開示)は据え置いている。売上高は63億円~68億円(22年3月期比16.2%増~25.4%増)で、営業利益は3億75百万円~4億75百万円(同9.6%増~38.8%増)としている。

 人材採用や新規事業領域への先行投資を継続するが、OMO領域オンラインマーケティング関連の成長が牽引して大幅営業増益予想としている。OMO領域オフラインマーケティング関連がコロナ禍の影響を受けているため第2四半期累計は赤字だったが、大型案件の増加により期初時点で下期偏重の計画としている。FANSHIP導入アプリのMAU増加に伴ってストック型収益が拡大基調であり、下期は子会社フィノバレーのデジタル地域通貨プラットフォーム事業の収益が想定以上に寄与する見込みだ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は反発力が鈍くモミ合う形だが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。11月11日の終値は767円、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS471円41銭で算出)は約1.6倍、そして時価総額は約54億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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