朝日ラバーは23年3月期2Q累計減益、通期減益予想据え置きだが上振れ余地

(決算速報)
 朝日ラバー<5162>(東証スタンダード)は11月11日の取引時間終了後に23年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。主力の自動車向けゴム製品が自動車減産の影響で減収となり、販管費の増加なども影響して減益だった。そして通期の減益予想を据え置いた。ただし原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで上振れ余地がありそうだ。さらに24年3月期の収益拡大を期待したい。株価は年初来安値圏でモミ合う形だが、23年3月期減益予想を織り込み済みであり、調整一巡して出直りを期待したい。

■23年3月期2Q累計減益、通期減益予想据え置きだが上振れ余地

 23年3月期第2四半期累計の連結業績(8月8日付で売上高を下方、利益を上方修正)は売上高が前年同期比1.5%減の35億78百万円、営業利益が23.2%減の1億35百万円、経常利益が19.2%減の1億43百万円、親会社株主帰属四半期純利益が16.8%減の1億12百万円だった。

 国内・海外別の売上高は、国内が0.3%増の27億69百万円、海外が7.0%減の8億09百万円(アジアが6.0%減の7億55百万円、北米が14.2%減の48百万円、ヨーロッパが47.5%減の4百万円)だった。

 自動車減産の影響で自動車向けゴム製品が減収となり、販管費の増加なども影響して減益だった。なお売上総利益率は24.8%で1.0ポイント上昇した。原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などが寄与した。販管費比率は21.0%で2.0ポイント上昇した。

 工業用ゴム事業は売上高が5.2%減の28億83百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が19.3%減の2億29百万円だった。卓球ラケット用ラバーの好調が続き、RFIDタグ用ゴム製品も受注が回復傾向となったが、主力のASA COLOR LEDやスイッチ製品などの自動車向けゴム製品が中国のロックダウンや自動車減産の影響で減収だった。

 医療・衛生用ゴム事業は売上高が17.5%増の6億95百万円、セグメント利益が27.9%増の71百万円だった。通常の医療活動が回復傾向となり、プレフィルドシリンジガスケット製品や採血用・薬液混注用ゴム栓の売上が増加した。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高が17億54百万円で営業利益が70百万円、第2四半期は売上高が18億24百万円で営業利益が65百万円だった。

 通期連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比6.1%増の74億54百万円、営業利益が12.5%減の2億55百万円、経常利益が19.8%減の2億51百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が21.6%減の1億87百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の20円(期末一括)としている。

 売上面では自動車用ASA COLOR LEDが減収見込みだが、医療用ゴム製品、卓球ラケット用ラバーが好調に推移し、RFIDタグ用ゴム製品も回復に向かう見込みとしている。売上高の計画はセグメント別には工業用ゴム事業が6.0%増の61億80百万円、医療・衛生用ゴム事業が6.7%増の12億74百万円、中期事業分野別には光学事業が2.2%減の30億36百万円、医療・ライフサイエンス事業が6.6%増の13億14百万円、機能事業が20.4%増の25億94百万円、通信事業が4.2%減の5億10百万円としている。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が48.0%、営業利益が52.9%、経常利益が57.0%、親会社株主帰属当期純利益が59.9%と順調である。通期会社予想を据え置いたが、原材料価格高騰に伴う販売価格転嫁や原価改善効果などで上振れ余地がありそうだ。さらに24年3月期の収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は年初来安値圏でモミ合う形だが、23年3月期減益予想を織り込み済みであり、調整一巡して出直りを期待したい。11月11日の終値は540円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円22銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1030円86銭で算出)は約0.5倍、そして時価総額は約25億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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