【銘柄紹介】サンテックは東南アジア電気工事拡大で業績好調、マーケットは資産内容のよさに注目

銘柄紹介

<歩み>

 サンテック<1960>(東2・売買単位1000株)は、1937年(昭和12年)に広島市で満長組として創業、1948年に山陽電気工事として設立。創業78年となる。1956年に東京へ本社を移し、1973年に株式を上場した。1922年に現社名へ変更、1975年に初の海外拠点をシンガポールに開設、現在、アジア地域8カ国に事業拠点を置いている。

<規模・銘柄特性>

 年商約400億円、海外比率約3割、従業員数は約1100名。営業利益率約2.7%、ROEは3%前後、1株利益39.0円、配当は年20円、発行済株式数は約2380万株の小型。動きに派手さはなく資産株としての注目度が高い銘柄といえる。

<事業内容・強さ・特徴>

 電気工事の大手で独立系。プラント事業を含む内線工事、送電線などの電力工事、空調機器が主要事業で中国電力や防衛省関係に強く、東南アジアに展開していることも特徴である。

 国内では、内線工事の「セルメック」、「電力工事の山陽電気工事」、空調給排水工事の「武蔵野興業」と「ニヤマ設備」、ソーラーでは「山口宇部ソーラ」、「宇部東メガーソーラ」、「黒瀬町メガソーラ」などの関係会社などで事業展開している。

 また、マーケットでは資本金約12億円に対し利益剰余金が約268億円と多く、実質無借金で1株純資産が1469円と優秀なことや投資不動産約43億円、投資有価証券約38億円で含みの大きいことを注目している。

<業績推移>

 2015年3月期の売上は403億1900万円、営業利益11億0800万円で、これは3年前に比べると売上で35.0%増とかなりの伸長、とくに3年前は営業赤字6億4100万円だったから収益改善も大きい。

 2016年3月期は売上11.6%増の450億円、営業利益17.2%増の13億円、1株利益42.5円の見通し。海外比率約3割の海外工事に今後も期待が強い。

<株価推移と展望>

 昨年1年間はほぼ500円を挟んだ上下50円幅での往来だったが、今年春にモミ合いを放れ7月6日には620円まで値を上げた。

 長期足取りでみれば13年1月に24カ月線を抜いて買い転換し、以後、24カ月線を下回ることなく着実な下値切り上げの展開だ。

 5日の終値614円は利回り3.25%、PER14倍、PBR0.4」倍強。とくに、利回りとPBRでの割安が顕著で、とくに1部市場で主力銘柄が動き難くなっていることから注目のホコ先が向く可能性はありそうだ。また、「ファンドなどが資産内容のよさに注目して取得に動く可能性もあるのではないか」(中堅証券)との見方もされている。当面は2007年5月の810円が目処だろうが、人気次第では4ケタの可能性を含んでいるといえるだろう。

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