【銘柄紹介】CRI・ミドルウエアは音声と映像に特化、ゲーム向け好調

銘柄紹介

 CRI・ミドルウェア<3698>(東マ・売買単位100株)はCSK綜合研究所として創業、音声と映像で強みを発揮するミドルウエア。昨年秋に上場、株価は調整一巡から出直りの展開だ。

<歩み>

 1983年にCSKグループの「CSK総合研究所」(略称CRI)として創業、人工知能や音声・映像技術、CD-ROMメディアの研究開発を始めた。富士通のパソコン開発協力や1960年代からセガのプロジエクトに参画し2001年に現社名で設立した。

 家庭用ゲーム機「プレイステーション4」向けのミドルウエアを提供するなどゲーム開発や遊戯機向けミドルウエアを中心に展開している。株式上場は2014年11月。

 同社、押見正雄社長のメッセージは次の通り。「驚き・感動をより多くの人に伝えるためのミドルウエア。このコンセプトを実現するため『CRIWARE』は生まれた。荘厳なオーケストラの音楽が奏でられる中、主人公が叫び抱き合う。透き通るような肌の質感、涙。映画のようなクオリティの映像・音声でインタラクティブにプレイできるゲームは現実以上にリアリティを持ったドラマへ進化した。当社の大きな役割の一つは素晴らしいデジタルコンテンツをより多くの人に体験してもらうことである」と述べている。

<規模・銘柄特性>

 年商約11億円、営業利益率18.7%、ROE15%ていど。従業員数は約65名、発行済株式数は約431万株の小型銘柄。

 自社従業員持株会が第1位の株主、第2位はセガゲームスとなっている。外国人持株比率は2%弱、投信はないようだ。ゲーム関連人気で動くケースが多い。

<事業内容&強さ・特徴>

 ミドルウエアの研究開発と許諾販売を主要な事業としている。ミドルウエアはハードウエアとアプリケーションウエアの中間に位置する分野。特に、同社は音声・映像に特化し製品ブランド『CRIWARE』で家庭用、スマホ用、遊戯機分野に提供、強さを発揮している。

<業績推移>

 2012年9月期の売上10億0200万円、営業利益700万円(四季報による)は、前期(2014年9月期)では売上11億4500万円、営業利益2億1500万円と飛躍。

 今9月期・第2四半期は売上6億円、営業利益1億3800万円だった。通期では売上前期比12.3%増の12億8600万円、営業利益20.4%増の2億5900万円、純益10.2%増の2ケタ増収、増益の見通し。1株利益は36.7円、配当は無配。

<株価推移と展望>

 今年3月1日付で株式3分割を実施しており権利修正株価では昨年11月上場時の初値は4500円で直後に6773円の高値まで上伸した。その後はマーケット人気が「JPX日経400」の採用銘柄に集中したことから調整の展開。

 足元では、去る7月9日に上場来安値となる1790円まで下げたが、年初来高値の2570円からちょうど3割下げたことで押し目買いが活発となって底打ちといえる展開。6日は2327円まで戻している。

 遊戯機分野は厳しいようだが、スマートフォン向けゲーム分野で市場拡大が続いている。今後も2ケタの増収増益が期待されそうだ。

 上場後の高値6773円から安値1790円までの下げ幅に対する、「半値戻し」の4280円前後は早そうだ。底打ち確認とみられることから押し目買いでよさそうだ。

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