【注目銘柄】コーセルは業績再上方修正など株高3点セットを見直し割安株買いが再燃し反発

 コーセル<6905>(東証プライム)は、前日10日に12円高の1000円と3営業日ぶりに反発して引け、昨年12月28日につけた昨年来高値1042円を意識する動きを強めた。昨年12月19日に発表した今2023年5月期業績の再上方修正や増配、さらに自己株式取得の株高3点セットを見直し、割安株買いが再燃した。テクニカル的にも25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜きゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆し、株式需給的にも薄めながら売り長となっていることも、フォローの材料視されている。

■半導体製造装置向けなどにスイッチング電源の需要が堅調で円安も寄与

 同社の今5月期業績は、第2四半期(2022年6月~11月期、2Q)累計業績が、12月9日に上方修正されたあと、その2Q累計決算の発表時に今度は5月期通期業績が上方修正された。5月期通期業績は、期初予想より売り上げを15億1000万円、営業利益を7億8000万円、経常利益を10億4000万円、純利益を7億5500万円それぞれ引き上げ、売り上げ337億3000万円(前期比20.1%増)、営業利益40億3000万円(同45.5%増)、経常利益43億4000万円(同45.5%増)、純利益30億7000万円(同62.0%増)と見込み、V字回復を鮮明化させる。スイッチング電源の需要が、半導体製造装置向けを中心にFA機器、通信機器向けなどに堅調に推移し、前期の業績を押し下げていた半導体などの部品不足も安定調達を進め、為替相場も前期より大きく円安・ドル高のなったことなどが要因となっている。

 配当は、中間配当を期初予想の13円から15円へ、期末配当も同14円から16円へ、年間配当を同27円から31円(前期実績26円)へそれぞれ引き上げ、連続増配幅の拡大を予定している。自己株式取得は、取得上限を100万株(発行済み株式総数の2.93%)、取得総額上限を10億円、取得期間を昨年12月20日から今年5月12日までとして実施中である。

■PER11倍、PBR0.8倍の修正をGCと信用好需給がサポート

 株価は、昨年5月の昨年来安値730円から今期業績の増益転換予想で900円台に乗せ、今期第1四半期の好決算で944円高値をつけ、その後の調整安値794円から今期2Q累計業績の上方修正で915円までリバウンド、今期通期業績の上方修正・増配・自己株式取得発表とともに窓を開けて昨年来高値1042円まで急伸し、GCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。足元では急伸時に開けた窓を埋める高値調整を続けているが、PERは11.1倍、PBRは0.83倍、年間配当は3.1%と割安である。信用倍率が0.95倍となっている信用好需給も加わり、昨年来高値1042円奪回から2021年1月高値1320円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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