ファンデリーは23年3月期3Q累計大幅営業増益、通期黒字転換予想

(決算速報)
 ファンデリー<3137>(東証グロース)は1月31日の取引時間終了後に23年3月期第3四半期累計業績(非連結)を発表した。コロナ禍の影響などで全体として売上回復が遅れて減収だったが、第3四半期におけるMFD事業の利益率改善などで大幅営業増益(経常利益と四半期純利益は黒字転換)だった。そして通期の黒字転換予想を据え置いている。MFD事業の再成長への回帰、CID事業の損益改善、マーケティング事業の伸長を推進する方針だ。第3四半期累計の進捗率は低水準だが、コロナ禍影響の緩和や積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。株価は安値圏でモミ合う展開だが、大きく下押す動きは見られない。ほぼ底値圏だろう。出直りを期待したい。

■23年3月期3Q累計大幅営業増益、通期黒字転換予想

 23年3月期第3四半期累計の業績(非連結)は、売上高が前年同期比10.1%減の21億58百万円、営業利益が48.7%増の36百万円、経常利益が1百万円の黒字(前年同期は1百万円の赤字)、四半期純利益が0百万円の黒字(同2百万円の赤字)だった。コロナ禍の影響などで全体として売上回復が遅れて減収だったが、第3四半期におけるMFD事業の利益率改善などで大幅営業増益(経常利益と四半期純利益は黒字転換)だった。

 MFD事業は売上高が7.9%減の17億43百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が9.3%減の3億77百万円だった。コロナ禍に伴う外来患者減少などで医療機関等の紹介ネットワークを通じた新規顧客獲得が減少した。第3四半期のアクティブ会員数は2万7311人で前四半期(23年3月期第2四半期)比1239人減少したが、ARPUは1万6782円で1396円増加した。定期コース会員数は6576人で329人減少した。紹介ネットワーク数は1万9991箇所で126箇所増加した。

 CID事業は売上高が45.2%減の1億10百万円、利益が3億31百万円の赤字(前年同期は3億58百万円の赤字)だった。前年のTV放送やSNSプロモーション等の効果が一巡して販売数が減少したことに加えて、依然として損益分岐点に達していないため赤字だった。ただし前年同期比では、減価償却費の減少などで赤字縮小した。第3四半期のアクティブ会員数は6562人で前四半期比1629人減少、ARPUは5556円で589円減少、AI旬すぐ会員数は1558人で83人減少した。ただしレビュー件数は3.8倍の4745件と急増し、平均評価点(1~5の5段階)も0.15点上昇して4.46点となった。

 マーケティング事業は売上高が1.0%減の3億03百万円、利益が3.4%減の2億14百万円だった。健康食通販カタログの広告枠販売に加えて、紹介ネットワークを活用した業務受託を複数案件獲得した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が6億74百万円で営業利益が17百万円の赤字、第2四半期は売上高が7億23百万円で営業利益が0百万円の黒字、第3四半期は売上高が7億61百万円で営業利益が53百万円の黒字だった。全体として売上高、営業損益とも回復傾向である。なお第3四半期は、特にMFD事業の利益率改善が牽引した。

 通期業績(非連結)予想は据え置いて売上高が22年3月期比2.5%増の32億円、営業利益が1億05百万円の黒字(22年3月期は1億77百万円の赤字)、経常利益が1億14百万円の黒字(同1億58百万円の赤字)、当期純利益が79百万円の黒字(同19億48百万円の赤字)としている。配当予想は復配の3円(期末一括)としている。

 セグメント別の計画は、MFD事業の売上高が22年3月期比0.5%増の24億58百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が1.7%増の5億27百万円、CID事業の売上高が4.1%増の2億42百万円で利益が4億83百万円の赤字(22年3月期は7億50百万円の赤字)、そしてマーケティング事業の売上高が12.3%増の5億円で利益が10.0%増の3億68百万円としている。

 MFD事業はプラス成長への回帰を目指す。22年4月から医療機関への訪問を再開し、さらに本社・大阪支社および新設した神奈川支社の3拠点で専任の担当者を配置している。また、特定の栄養素を重点的に補給できるように調整した食事として、メニューに「パワーアップ食」を追加した。CID事業は「AI旬すぐ」会員獲得などにより、損益改善を推進する。マーケティング事業は受注が堅調であり、通期ベースでは過去最高を目指す。第3四半期累計の進捗率は低水準だが、コロナ禍影響の緩和や積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は安値圏でモミ合う展開だが、大きく下押す動きは見られない。ほぼ底値圏だろう。出直りを期待したい。1月31日の終値は270円、今期予想PER(会社予想のEPS12円49銭で算出)は約22倍、今期予想配当利回り(会社予想の3円で算出)は約1.1%、前期実績PBR(前期実績のBPS99円25銭で算出)は約2.7倍、そして時価総額は約17億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る