テンポイノベーションは23年3月期3Q累計実質大幅増収増益、通期予想を上方修正、配当も増配予想

(決算速報)
 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は2月2日の取引時間終了後に23年3月期第3四半期累計連結業績(23年3月期から連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)を発表した。前年同期の非連結業績との単純比較で実質大幅増収増益だった。店舗転貸借事業において、ウィズコロナにおいても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、転貸借物件数と成約件数が順調に増加した。子会社の保証事業や不動産売買事業の高収益物件も寄与した。そして通期予想を上方修正した。配当予想も公表して大幅増配予想とした。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は順調に水準を切り上げて上場来高値を更新(株式分割調整後)した。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年3月期3Q累計実質大幅増収増益、通期予想を上方修正

 23年3月期第3四半期累計の連結業績(店舗家賃保証事業を行う子会社の店舗セーフティーを設立して23年3月期第1四半期から連結決算に移行のため前期比増減率は非記載)は、売上高が98億74百万円、営業利益が10億22百万円、経常利益が10億66百万円、親会社株主帰属四半期純利益が7億30百万円だった。

 前年同期の非連結業績(売上高84億29百万円、営業利益6億41百万円、経常利益6億89百万円、四半期純利益4億67百万円)との単純比較で見ると、売上高は17.1%増収、営業利益は59.5%増益、経常利益は54.7%増益、親会社株主帰属四半期純利益は56.2%増益だった。

 実質大幅増収増益だった。店舗転貸借事業において、ウィズコロナにおいても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施し、転貸借物件数と成約件数が順調に増加した。子会社の保証事業や不動産売買事業の高収益物件も寄与した。売上総利益率は2.1ポイント上昇して19.7%、販管費比率は0.6ポイント低下して9.4%となった。

 店舗転貸借事業(店舗家賃保証事業含む)は、売上高が90億02百万円(前年同期の76億45百万円との単純比較で17.8%増収)で、セグメント利益(営業利益)が7億57百万円(同5億35百万円との単純比較で41.4%増益)だった。ウィズコロナにおいても旺盛な個人・小規模飲食事業者の出店需要に対応して積極的な仕入を実施した。重点施策として、営業力増強に向けた採用・教育や、転貸借物件数増加に対応するための物件管理の質的・量的強化を推進した。

 転貸借成約件数(新規契約件数および後継付け件数の合計)は355件(前年同期は295件)となり、期末の転貸借物件数は2152件(同1888件)と順調に増加した。四半期別の成約件数は第1四半期が107件、第2四半期が117件、第3四半期が131件と増加基調である。成約件数のうち、転貸借物件数の純増につながる新規契約は月20件以上で推移し、後継付けは月10~20件で推移している。一方、解約件数は4月~12月累計13件であり、解約率は低水準で推移している。

 不動産売買事業は売上高が8億72百万円、セグメント利益が2億65百万円(前年同期は売上高が7億84百万円、セグメント利益が1億06百万円)だった。5物件を売却、5物件を取得(前年同期は4物件を売却、5物件を取得)し、期末時点の保有物件数は3件(同3件)となった。高収益物件が寄与して大幅増益だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が30億04百万円(ランニング収入27億13百万円、イニシャル収入2億90百万円)で営業利益が2億86百万円、第2四半期は売上高が30億99百万円(ランニング収入27億93百万円、イニシャル収入3億05百万円)で営業利益が2億68百万円、第3四半期は売上高が37億71百万円(ランニング収入28億69百万円、イニシャル収入9億円)で営業利益が4億68百万円だった。第3四半期は特に不動産売買事業のイニシャル収入が寄与したが、店舗転貸借事業のランニング収入も順調に伸長している。

 通期の連結業績予想は2月2日付で上方修正し、売上高が130億円、営業利益が11億85百万円、経常利益が12億35百万円、親会社株主帰属当期純利益が8億46百万円としている。また配当予想を2月2日付で公表し、22年3月期比4円増配の16円(期末一括)としている。

 22年3月期の非連結業績(売上高が114億15百万円、営業利益が9億09百万円、経常利益が9億86百万円、当期純利益が6億62百万円)との単純比較で見ると、売上高は13.9%増収、営業利益は30.3%増益、経常利益は25.2%増益、親会社株主帰属当期純利益は27.8%増益となる。実質的に大幅増収増益予想としている。

 期初計画に対して売上高を3億45百万円、営業利益を1億26百万円、親会社株主帰属当期純利益を1億13百万円、それぞれ上方修正した。店舗転貸借事業が転貸借物件数の増加で順調に推移し、不動産売買事業が期初計画に対して上振れる見込みとしている。なお転貸借成約件数460件(22年3月期407件)および期末転貸借物件数は2222件(同1951件)の計画は据え置いた。

 修正後の通期予想に対する第3四半期累計の進捗率は売上高が76.0%、営業利益が86.3%、経常利益が86.3%、親会社株主帰属当期純利益86.3%となる。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上場来高値を更新

 株価は順調に水準を切り上げて上場来高値を更新(株式分割調整後)した。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。2月2日の終値は1118円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS47円91銭で算出)は約23倍、今期予想配当利回り(会社予想の16円で算出)は約1.4%、前期実績PBR(前期実績のBPS188円29銭で算出)は約5.9倍、そして時価総額は約198億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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