マーチャント・バンカーズは23年3月期3Q累計減益だが通期大幅増益予想

(決算速報)
 マーチャント・バンカーズ<3121>(東証スタンダード)は2月14日に23年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。減益での着地だったが、通期は大幅増収増益予想(2月6日付で上方修正)としている。第4四半期に販売用不動産の売却を予定している。マーチャント・バンキング事業の成長が牽引し、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上値が重く安値圏でモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。第3四半期累計減益に対する反応も限定的だった。調整一巡してモミ合いから上放れの展開を期待したい。

■23年3月期3Q累計減益だが通期大幅増益予想

 23年3月期第3四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比41.3%増の32億33百万円、営業利益が6.1%減の2億89百万円、経常利益が21.8%減の1億69百万円、親会社株主帰属四半期純利益が33.8%減の98百万円だった。

 投資案件によって四半期業績が変動することも影響して減益での着地だったが、賃貸用不動産から得られる賃貸収入が安定的に推移し、収益用不動産やホテル物件の売却も実行して概ね順調だった。

 マーチャント・バンキング事業は売上高が19.6%増の27億63百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が12.4%減の4億56百万円だった。収益の柱である賃貸用不動産から得られる賃貸収入が安定的に推移し、収益用不動産やホテル物件の売却も実行した。

 オペレーション事業は売上高が3.0%減の4億90百万円、利益が27百万円の赤字(前年同期は45百万円の赤字)だった。コロナ禍の影響で減収・赤字だが、行動制限の緩和によって各事業の業績は持ち直し傾向となっている。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が3億11百万円で営業利益が25百万円の赤字、第2四半期は売上高が10億75百万円で営業利益が1億64百万円の黒字、第3四半期は売上高が18億47百万円で営業利益が1億50百万円の黒字だった。

 通期の連結業績予想(22年12月19日付で売上高を上方修正、23年2月6日付で売上高、利益とも上方修正)は、売上高が22年3月期比61.0%増の43億80百万円、営業利益が55.2%増の5億20百万円、経常利益が74.3%増の3億80百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が3.7倍の2億60百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の2円(期末一括)としている。

 大幅増収増益予想である。第4四半期に販売用不動産売却を実行(神戸市東灘区、決済・引渡予定23年2月21日)し、売上高8億30百万円および売却益1億70百万円(営業利益)を第4四半期に計上する。マーチャント・バンキング事業の成長が牽引し、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価はモミ合い煮詰まり感

 株価は上値が重く安値圏でモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。第3四半期累計減益に対する反応も限定的だった。調整一巡してモミ合いから上放れの展開を期待したい。2月16日の終値は302円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS8円81銭で算出)は約34倍、今期予想配当利回り(会社予想の2円で算出)は約0.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS136円39銭で算出)は約2.2倍、そして時価総額は約89億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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