アイフリークモバイルは23年3月期3Q累計営業減益だが通期営業増益予想据え置き

(決算速報)
 アイフリークモバイル<3845>(東証スタンダード)は2月14日に23年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。コンテンツ事業におけるXR領域への先行投資の影響などで営業減益だったが、通期の営業増益予想を据え置いた。コンテンツ事業ではユーザー獲得に向けた投資、CCS事業では専門領域に特化したエンジニアの育成などを推進する。第3四半期累計が営業減益で進捗率も低水準の形だが、通期ベースでは積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。株価は第3四半期累計営業減益も嫌気する形となって昨年来安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■23年3月期3Q累計営業減益だが通期営業増益予想据え置き

 23年3月期第3四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比1.4%減の19億28百万円、営業利益が53.5%減の61百万円、経常利益が45.6%減の1億18百万円、親会社株主帰属四半期純利益が38.7%減の1億15百万円だった。

 コンテンツ事業におけるXR領域(メタバース、VR、AR、MRなど)への先行投資の影響などで減益だったが、概ね計画水準だったとしている。なお売上総利益は8.9%減少して5億74百万円、販管費は3.0%増加して5億12百万円となった。

 コンテンツ事業は売上高が3.8%減の2億05百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が88.5%減の7百万円だった。デジタル絵本アプリの新作配信、トーハンが運営する全国書店ネットワーク「e-hon」への絵本動画の提供などの施策を推進した。利益面は、XR領域で活躍するクリエイター育成に関する取り組み(所属クリエイターおよび「CREPOS」に登録する約1万人のクリエイター向けにVR・ARクリエイターを目指すオンラインスクール「NEWVIEW SCHOOL ONLINE」を提供)など先行投資の影響で減益だった。

 コンテンツクリエイターサービス事業は売上高が1.1%減の17億22百万円、セグメント利益が1.6%増の2億44百万円だった。受注率および稼働率が比較的高い水準で推移し、販管費見直しも推進した。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が6億24百万円で営業利益が22百万円、第2四半期は売上高が6億23百万円で営業利益が12百万円、第3四半期は売上高が6億81百万円で営業利益が27百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が22年3月期比12.9%増の29億64百万円、営業利益が4.9%増の1億70百万円、経常利益が21.8%減の2億02百万円、親会社株主帰属当期純利益が24.4%減の1億91百万円としている。配当予想は22年3月期と同額の3円(期末一括)としている。

 コンテンツ事業では、ユーザーの獲得や継続率の向上のための投資、育児をするママパパをターゲットとしたベビーテックサービスの提供などを推進する。コンテンツクリエイターサービス事業では、RPA、メタバース(VR/AR)、データサイエンス、ゲーム等の専門領域に特化したエンジニアの育成などを推進する。第3四半期累計が営業減益で進捗率も低水準の形だが、通期ベースでは積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は第3四半期累計営業減益も嫌気する形となって昨年来安値圏だが、調整一巡して出直りを期待したい。2月16日の終値は132円で、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS10円72銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の3円で算出)は約2.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS40円65銭で算出)は約3.2倍、そして時価総額は約24億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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