【銘柄診断】南陽は再増配の権利取り再燃に加えて再上方修正がフォロー

 南陽<7417>(東証スタンダード)は、今年3月7日に今2023年3月期の配当を年間95円に再増配すると発表しており、全般相場が落ち着きを取り戻したことから、期末に向け配当権利取りの打診買いが再燃している。再増配と同じ日に今3月期業績の再上方修正し、4期ぶりの過去最高純利益の更新幅が拡大すると発表したこともフォローの材料となっている。テクニカル的にも、再増配・業績再上方修正で株価が、窓を開けて昨年来高値まで急伸したが、前日14日までの4営業日続落でこの窓埋めをほぼ終了しており、目先調整完了とし評価されている。

■災害復旧工事で建機レンタルの稼働率が向上し純利益は4期ぶりに過去最高更新

 同社の今3月期配当は、昨年10月24日に今期業績の1回目の上方修正とともに期初予想の年間83円(前期実績82円)が88円に増配された。今回は、それをさらに95円へ再増配することを予定している。純利益に対する連結配当性向を30%程度とする配当政策に従って、今期業績の再上方修正とともに再増配する。

 その今3月期業績は、昨年10月の上方修正値に対して売り上げは据え置きとしたが、営業利益、経常利益を各2億円、純利益を1億5000万円引き上げ、売り上げ390億円(前期比12.0%増)、営業利益29億円(同20.8%増)、経常利益31億円(同16.5%増)、純利益20億円(同15.0%増)と見込み、純利益は、2019年3月期の過去最高(18億600万円)を4期ぶりに更新する。建設機械事業で、地元の九州地方を中心に災害復旧工事事業が継続して建機レンタルの稼働率が向上していることが要因で、産業機器事業でも、半導体メーカーの積極的な設備投資を受け市場が好調に推移したことなども注目されている。

■PBRは0.6倍と1倍を割れ配当利回り4.2%、PER7倍とバリュー株資格を充足

 株価は、昨年10月の今期業績の1回目の上方修正では限定的な反応にとどまったが、今期第2四半期業績が上方修正値をやや上ぶれて着地したことを手掛かりに下値を切り上げ1995円高値まで上値を伸ばし、2000円大台出没場面のなか再増配・再上方修正で窓を開けて昨年来高値2378円へ急伸した。この窓埋めを終了し目先調整一巡感を強め出直りを窺っている。PBRは0.67倍と1倍を割っているうえに、年間配当利回りは4.27%、PERは7.08倍とバリュー株資格を充足しており、昨年来高値奪回から次の上値フシとして2019年1月高値2629円が意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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