【銘柄診断】アシロは月次掲載顧客数高成長を手掛かりに1Q高利益進捗率業績に見直し余地

■リーガルメディア事業で高成長、増配予定の配当利回りも魅力

 アシロ<7378>(東証グロース)は、今年4月7日に発表したリーガルメディア事業の3月度の掲載顧客数が、前年同月比30.0%増と大幅続伸したことを手掛かりに、今2023年10月期第1四半期(2022年11月~2023年1月期、1Q)業績の高利益進捗率を見直し、下げ過ぎ修正買いとなってきた。今期配当が、年間13.61円に増配予定にあり、配当利回りが東証グロース(G)市場の配当利回りランキングの第30位にランクインしていることも、側面支援材料視されている。

■売り上げは6四半期連続で過去最高となり純利益は通期予想を上回る

 同社のリーガルメディア事業の3月度の掲載顧客数は、867件と前年同月の667件から30.0%増と続伸し、年率30%超の高成長をキープした。同事業の弁護士相談サイトの各サービスサイトを新ブランドの「ベンナビ」に順次移行し認知度向上施策を推進しており新規獲得が順調で解約率も低水準で推移していることが要因となっている。一方、今期1Q業績は、売り上げが6億8700万円(前年同期比41.5%増)と6四半期連続で過去最高と高成長し、営業利益が7900万円(同44.7%減)、税引前利益が7700万円(同45.8%減)、純利益が4500万円(同54.3%減)と増収減益で着地した。もともと中期経営計画では今2023年10月期と次期2024年10月期を成長投資期間として人件費、外注費、広告費などの中長期成長投資を継続しており、売り上げは高成長したもののこの投資コスト増が利益を下押した。

 ただ1Q売り上げは当初予算を上回る一方でコストは予算通りとなっており、今10月期予想業績に対しては高利益進捗率を示した。営業利益は99.2%、純利益に至っては通期予想を36%も上回った。今10月期通期業績は、期初予想に変更はなく、売り上げ28億6100万円(前期比29.9%増)、営業利益8000万円(同83.5%減)、税引前利益7500万円(同84.2%減)、純利益3300万円(同90.5%減)と見込んでいるが、1Qの高利益進捗率業績から前期と同様の上方修正の可能性も出てくる。配当は、年間13.61円(前期実績12.45円)と増配を予定している。なお中期経営計画では、最終年度の2025年10月期を利益創出期間として売り上げ55億円超、営業利益11億円超を目標業績としている。

■G市場の配当利回り順位の30位と下げ過ぎを示唆し昨年9月高値奪回に再発進

 株価は、昨年9月に新株主還元方針を導入し初配当12.45円を実施すると発表して944円と歓迎高した場面もあったが、今期業績の減益転換予想が響いてストップ安を交えて614円まで調整した。同安値から自己株式取得に1Qの高利益進捗率業績、月次掲載顧客数の30%成長が続いて740円までリバウンドし、足元では25日移動平均線水準の700円固めを続けている。配当利回りは、1.96%と東証グロース(G)市場の高配当利回りランキングの第30位にランクインするなどなお下げ過ぎを示唆しており、まず昨年9月高値944円を目指し再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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