AIでダンボール破損判定、富士通・セブン-イレブン・飲料メーカーなど5社が共同実証実験を開始

■食品ロス削減に貢献、AIがダンボールの状態を判断

 キリンホールディングス<2503>(東証プライム)のキリンビバレッジ、コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス<2579>(東証プライム)、サントリー、流通業のセブン&アイ・ホールディングス<3382>(東証プライム)のセブン-イレブン、富士通<6702>(東証プライム)の5社は21日、商品外装ダンボールの破損レベル判定の統一化に向けた共同実証実験を開始したと発表。富士通が開発したAIシステムを活用し、スマートフォンで撮影したダンボールの画像をデータベースと照合して、入荷・出荷の可否を客観的に判断する仕組みだ。

■ダンボールの外観で納品可否を目視判断からAI判断へ

 現在、清涼飲料業界や流通業界では、商品の輸送・保管中にダンボールに軽微な擦れやしわ、膨れ等が見られた場合、中身品質に関わらず、ダンボールの外観状態で納品可否の判断を各社の倉庫毎に目視で行っている。この納品可否の判断は、共通の基準が無いため、判断にばらつきが生じており、中身品質に問題のない商品の返品・廃棄が発生し、食品ロスが課題となっている。

 今回の共同実証実験では、「飲料配送研究会」の基準を使用したAIシステムにより判定することで、製造・配送・販売を担う各社で破損レベル判定の統一化を目指す。これにより、軽微な外装破損商品を流通させることで、商品廃棄を抑制し、食品ロスを削減するとともに、荷受時の検品時間や倉庫での返品作業を軽減することで、物流課題の改善にも貢献する。

 今回は第1ステップとして5社で実証実験を開始するが、今後多くの製造・配送・販売に関わる企業に同取組への参画を呼び掛け、実証実験の範囲を拡大していくことで、AI精度の向上と判定基準の業界標準化を実現し、食品ロスの削減および物流課題の改善を目指していく。

 農林水産省・経済産業省・国土交通省からは、同取組が業界の垣根を超えた物流課題解決や食品ロス削減に意義あるものとして期待されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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