協立情報通信は「流通株式時価総額」の基準充足に向け収益力強化など推進、株主利益に配慮した資本政策の検討なども進める

■株価が上昇基調にないことも一因とし将来性などの情報発信を強化

 協立情報通信<3670>(東証スタンダード)は6月28日の夕刻、上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況について発表し、東証スタンダード市場の上場維持基準について、2023年3月末時点で唯一「流通株式時価総額」のみ基準を充たしていないとし、当初計画通り、26年3月期までに基準を充たすため、引き続き各種の取り組みを進めるとした。

 東証スタンダード市場の上場維持基準のうち、流通株式時価総額の維持基準は10億円。これに対し、協立情報通信の23年3月末時点の流通株式時価総額は6億3068万1111円(事業年度の末日以前3か月間の日々の最終価格の平均値を乗じて算出)だった。

 この基準の充足に向け、23年3月期よりスタートした「中期経営計画2024」を着実に遂行して収益力強化と利益の拡大を目指し、加えて株主利益に配慮しつつ、更なる向上に資する資本政策実施の検討、及びIRの充実・情報発信の強化を図る。

■決算期変更に伴い収益特性が第1四半期から第4四半期にシフト

 中期計画は、今回、一部項目の目標の下方修正を含むローリングを行ったが、サステナブル経営の推進、事業別ポートフォリオの再構築、継続収益の拡大、を進め、女性の積極登用を含めたプロフェショナルな人財の育成に注力するほか、ドコモ法人サービス部の受注拡大、営業活動範囲の拡大などに努め、店舗ビジネスでは店舗立地に応じた独自サービスを進め、東京エリアにおいては、ドコモショップ八丁堀店内の法人サービス紹介コーナーの充実を図り、法人サービスとの連携に注力するなどの施策を推進する。

 継続収益の拡大では、リカーリング収益強化の一環として、レンタルサービス、基幹業務を補完するSaaSサービスの販売拡大にも取り組んでいる。

 資本政策の実施検討では、株主利益に配慮しつつ、更なる向上に資する資本政策実施の検討を進めており、その検討結果にもとづき、計画的に施策を実施していく。

 また、「流通株式時価総額」の基準を充たしていない主たる要素として、株価が上昇基調になく、一定水準で推移しているためと考え、将来性のある企業として投資家から認知されるよう、個人投資家向け会社説明会の定期開催などの情報発信を強化する。

 同社は21年2月期までの2月決算を22年3月期から3月決算に変更した。変更に伴い、第1四半期の構成比が高かった収益特性が第4四半期の構成比が高まる方向にシフトした。また、新会計基準の適用により、ソリューション事業の売上高は減少するが、受注は順調に推移。モバイル事業は端末販売の回復により、売り上げが伸長傾向となっている。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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