ファーストコーポレーションは24年5月期減益予想だが保守的

(決算速報)
 ファーストコーポレーション<1430>(東証プライム)は7月14日の取引時間終了後に23年5月期連結業績(連結決算に移行)を発表した。計画を上回る水準で着地した。22年5月期の非連結業績と単純比較で見ると減収ながら増益だった。不動産事業において事業用地販売が計画を下回ったが、建設事業が順調に推移した。24年5月期は大型案件の本体工事進捗などで大幅増収だが、建築資材価格の高止まりの影響などを考慮して減益、そして配当は減配予想としている。ただし保守的な印象が強い。積極的な事業展開で上振れを期待したい。株価は5月末の権利落ちも影響して年初来高値圏から急反落の形となったが、売り一巡感を強めている。目先的には24年5月期減益・減配予想を嫌気する可能性があるが下値限定的だろう。

■23年5月期は減収ながら増益、24年5月期減益予想だが保守的

 23年5月期連結業績(連結決算に移行のため22年5月期比増減率はなし)は、売上高が255億43百万円、営業利益が19億83百万円、経常利益が19億79百万円、親会社株主帰属当期純利益が13億64百万円だった。配当は22年5月期比3円増配の35円(期末一括)とした。配当性向は30.5%となる。

 計画(連結決算への移行に伴って23年5月26日公表、売上高252億円、営業利益19億20百万円、経常利益19億30百万円、親会社株主帰属当期純利益13億20百万円)を上回る水準で着地した。22年5月期の非連結業績(売上高301億78百万円、営業利益19億19百万円、経常利益18億91百万円、当期純利益12億69百万円)との単純比較で見ると、売上高は15.4%減収ながら、営業利益は3.3%増益、経常利益は2.5%増益、親会社株主帰属当期純利益は7.5%増益だった。不動産事業の事業用地販売が計画を下回ったが、建設事業が順調に推移した。全体の売上総利益率は13.3%で2.8ポイント上昇した。

 セグメント別に見ると、建設事業は売上高が197億96百万円で営業利益(全社費用等調整前)が22億42百万円、不動産事業は売上高が49億94百万円で営業利益が6億83百万円、その他(設計業務、不動産賃貸、マンション管理運営など)は売上高が7億52百万円で営業利益が3百万円だった。建設事業の受注高は8件合計355億08百万円、期末受注残高は366億78百万円で過去最高となった。

 24年5月期の連結業績予想は、売上高が23年5月期比27.6%増の326億円、営業利益が5.7%減の18億70百万円、経常利益が8.0%減の18億20百万円、親会社株主帰属当期純利益が9.9%減の12億30百万円としている。配当予想は23年5月期比4円減配の31円(期末一括)としている。予想配当性向は30.0%となる。

 大型案件の本体工事進捗などで大幅増収だが、建築資材価格の高止まりの影響などを考慮して減益、そして配当は減配予想としている。ただし保守的な印象が強い。積極的な事業展開で上振れを期待したい。

■株価は下値限定的

 株価は5月末の権利落ちも影響して年初来高値圏から急反落の形となったが、売り一巡感を強めている。目先的には24年5月期減益・減配予想を嫌気する可能性があるが下値限定的だろう。7月14日の終値は781円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS103円20銭で算出)は約8倍、今期予想配当利回り(会社予想の31円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS664円54銭で算出)は約1.2倍、そして時価総額は約104億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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