【注目銘柄】ベースフードは香港累計販売5倍増を見直してフードテック株人気が再燃

注目銘柄

■一食で33種類の栄養素が採れるパンが大ヒット

 ベースフード<2936>(東証グロース)は、年初来高値620円を視界に捉えている。同社株は、一食でたんぱく質や食物繊維、ビタミンCなどの栄養素33種類が採れる完全栄養パン「BASE BREAD」を開発・製造・販売しているフードテック企業で、今年8月3日に「BASE BREAD」の香港での累計販売数が10万袋を突破し、半年間の累計販売数約が5倍増となったと発表したことを見直してフードテック株買いが再燃した。業績実態的にも、今2024年2月期第1四半期(2023年3月~5月期、1Q)の売り上げが前年同期比72.7%増、売上総利益が46.4%増と伸びて着地し、通期業績の上ぶれ余地があるとしたことも買い手掛かりとなっている。

■発売1年で10万袋を突破し中国最大の越境ECでも販売を開始

 「BASE BREAD」の香港での販売は、香港最大のECショッピングモール「HKTV Mall」で2022年5月から開始され、今年2023年に入ってとくに販売を伸ばし、2月には単月で1万5000袋を突破し、その後も毎月平均1万4000袋をキープし、この半年間の販売累計が5倍と急増し、発売以来1年間の販売累計が10万袋を超えた。甘過ぎず食べ応えのある食感が、健康志向のユーザーから受け入れた結果であり、初回から32袋セットを選択するまとめ買いするリピータの比率が高い。この香港の販売急増とともに、同社は2023年5月からアリババグループの中国最大の越境ECプラットフォーム「Tmall GLOBAL」での販売を開始し、海外成長戦略を積極化させている。

 一方、今期1Q業績は、売り上げ37億3900万円(前年同期比72.7%増)、売上総利益18億3000万円(同46.4%増)、営業利益3億8000万円の赤字(前年同期は1億6000万円の赤字)、経常利益3億3200万円の赤字、純利益3億8200万円の赤字で着地した。自社ECのサブスクリプション会員数が、20万1000人(前期末16万3000人)、リテールチャンネルの店舗数も、コンビニ、ドラッグストアなどの新規増加などで4万6385店(同3万4795店)に拡大し、新商品のラインアップを強化し今年5月に原材料高騰に対応して製品価格を改定したことが売り上げ、売上総利益を大きく押し上げた。営業利益以下の利益は、投資対効果の高い1Qに戦略的な広告投資を拡大させたことで一時的に悪化した。今2月期通期業績は、期初予想を据え置き売り上げ160億7800万円(前期比63.1%増)、営業利益8億400万円の赤字(前期は9億7000万円の赤字)、経常利益8億2500万円の赤字(同9億9500万円の赤字)、純利益8億2900万円の赤字(同10億800万円の赤字)と見込んでいるが、想定を上回った1Q業績から、売り上げ170億円、営業利益6億円の赤字へ上ぶれるともしている。

■ストップ高時に開けた窓を25日線水準で埋め年初来高値抜けから最高値も

 株価は、今期業績の大幅増収・赤字縮小予想で530円と上値を伸ばし、390円安値まで調整したあと、セブンイレブンでの販売が全国に拡充されたことで466円とリバウンドし、続く今期1Qの売上総利益の大幅増益ではストップ高し、年初来高値620円まで買い進まれ、25日移動平均線が75日移動線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。足元ではこのストップ高時に開けた窓を25日線で下値を確認して埋め、再騰に転じてきた。年初来高値抜けから昨年11月の新規株式公開時の公開価格800円、さらにその直後につけた上場来高値824円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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