【編集長の視点】ベステラは連日の最高値、独自ビジネスモデルを評価して直近IPO株買いが加速

編集長の視点

ベステラ<1433>(東マ)は、寄り付きの買い気配から840円高の7070円まで買い進まれて4営業日続伸し、連日の上場来高値更新となっている。同社株は、今年9月2日に公開価格2500円で新規株式公開(IPO)され、3125円で初値をつけ即ストップ高、その後も3日連続のストップ高を交えて高値追いとなっているが、この値動きの軽さ・大きさと、同社自体が、プラントの解体工事に特化しリーディングカンパニーに位置する独自のビジネスモデルを展開し、業績高成長を続けていることを評価して直近IPO株買いが加速している。9月上旬には、IPO後の初決算として今1月期第2四半期(2Q)累計業績を発表予定にあることも、業績成長を確認する買い手掛かり材料視されている。

■特許工法は合計19件を誇りプラント解体のリーディングカンパニー

同社は、1972年の設立以来約40年間、製鉄、電力、ガス、石油などの日本の基幹産業向けに鉄鋼構造物のプラント解体工事に特化して事業展開しており、この間、2004年7月に特許を取得した「りんご皮むき工法」などの特許工法を合計19件(取得済み14件、申請中4件、共同出願申請中1件)を開発し、プラント解体の事前調査から各種申請、解体見積、工事施行、廃棄物処理などまでを一貫して行うトータルマネジメントを提供してきた。同解体工事の市場規模は、1960年代の高成長時期以降に建設されたプラントが急速に老朽化し、今後20年間に建設後50年以上を経過する施設の割合が、加速度的に高まり、さらに企業再編、海外移転などのリストラクチャリングにより余剰設備の廃棄が増加するなど拡大が予想され、同社のビジネス機会の増加が予想される事業環境にある。

 このため同社の業績も、2014年1月期以降、売り上げ、利益とも成長が加速するステージに入っており、今1月期業績は、売り上げ37億円(前期比20.9%増)、経常利益4億3900万円(同12.9%増)、純利益2億5400万円(同15.5%増)と予想されている。近く発表予定の今期2Q業績で、この好事業環境、業績成長を確認することになる。

■環境関連、ロボット関連など側面支援材料も多彩で高値チャレンジ

株価は、公開価格がPER11倍台と割安でIPOに際した資金吸収額も7億円超と小規模にとどまることからIPO初日に3125円で初値をつけ、この初値に対してストップ高の3825円で引け、その後の3日間もストップ高、きょう8日寄り付きの最高値まで公開価格比2.82倍、初値比2.26倍の大幅高となっている。PCBやアスベストなどを処理する環境関連、東京工業大学との産学連携で開発した群移動型ロボット「群龍」のロボット関連などの投資切り口も多彩であり、一段の高値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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