【編集長の視点】コンヴァノは続落も3Q好決算を見直し1000円大台を前に下げ渋る

 コンヴァノ<6574>(東マ)は、前日27日に47円安の1033円と3営業日続落して引けた。新型肺炎の感染拡大で日経平均株価が179円安と3営業日続落し、東証マザーズ指数も、連日の昨年来安値更新で1年2カ月ぶりの安値に沈んだことから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いた。ただ昨年10月からキープしてきた1000円大台を前に下げ渋る動きもみせた。今年2月13日に発表した今2020年3月期第3四半期(2019年4月~12月期、3Q)業績が、2ケタ増益で着地したことから、今期通期純利益の2期ぶりの過去最高更新予想の見直しにつながり突っ込み買いも交錯した。年明け後の1月24日にロコ国立店をオープンさせ、今年3月にはペリエ千葉店を新規出店予定にあることも業績上ぶれ期待を高め、サポートしている。

――――来店客数が続伸し価格改定効果で平均顧客単価は過去最高――――

 同社の今期3Q業績は、売り上げ18億4500万円(前年同期比7.5%増)、営業利益1億6200万円(同23.0%増)、税引前利益1億5500万円(同21.9%増)、純利益1億300万円(同28.0%増)と大きく続伸した。出店戦略を質を重視して厳選化するなか昨年4月の3店舗に続き11月、12月と2店舗を新規出店して店舗数が52店舗となり、自社予約システム「FASTNAIL TOWN」の会員数が43万4000人(前年同期末35万3000人)に増加し、来客店数がリピーターを含めて13万1000人(同12万6000人)に拡大、昨年10月に実施した価格改定も、来客店数は落ち込まず平均顧客単価が上昇して過去最高を更新したことなどが寄与した。

 今3月期通期業績は、期初予想通りに売り上げ23億5000万円(前期比4.5%増)、営業利益2億1500万円(同43.7%増)、税引前利益2億1000万円(同45.1%増)、純利益1億3000万円(同46.3%増)と見込み、純利益は、2018年3月期の過去最高(9100万円)を2期ぶりに大幅更新する。なお年明け後も、2店舗を出店・出店予定にあり、業績上ぶれ期待を高めている。

――――25日線から20%超も下方かい離し約3カ月ぶり安値から下げ過ぎ訂正――――

 株価は、昨年6月の上場来安値680円から今期第1四半期の好決算や価格改定発表で底上げ転換して1000円台を回復し、今年1月には海外大手投信の保有比率上昇が判明したことなども加わり昨年来高値1596円まで2.3倍化した。同高値後は、25日移動平均線を出没する高値固めから新型肺炎の感染拡大による全般相場急落に巻き込まれて窓を開けて1053円まで調整し、売られ過ぎとして1202円までリバウンドし、足元では再び1033円と下ぶれた。昨年11月末以来のほぼ3カ月ぶり1000円大台は、25日移動平均線から20%超のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆しており、まず昨年来高値から直近安値への調整幅の3分の1戻しの1200円台奪回から、半値戻しの1300円台をクリアし、昨年来高値1596円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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