【注目銘柄】遠藤照明は2Q業績が2回の上方修正値を上ぶれ着地しS市場移行をカバー

 遠藤照明<6932>(東証スタンダード)は、10月31日に今2024年3月期第2四半期(2023年4月~9月期、2Q)累計決算を発表した。同業績が、今年10月26日に開示した2回目の上方修正値をやや上ぶれて着地したことから、前期と同様に3月期通期業績も上方修正の可能性があると期待して割安修正買い再燃している。直近安値は、同社株が東証プライム市場から東証スタンダード市場への市場変更を選択し、スタンダード市場に上場されたことが響いてつけており、需給悪化懸念を好業績がカバーしている。

■高効率照明器具の取り換え需要が増加し新製品シリーズも拡充

 同社の今期2Q累計業績は、今年7月、10月と相次いで上方修正されており、10月の再上方修正値を売り上げは9億700万円、営業利益は1800万円、経常利益は7000万円、純利益は400万円それぞれ上ぶれ、売り上げ239億700万円(前年同期比12.8%増)、営業利益20億1800万円(同73.1%増)、経常利益23億7000万円(同38.9%増)、純利益18億400万円(同87.5%増)で着地し、経常利益と純利益は、期初の減益転換予想から大幅増益となった。エネルギー価格高騰による電気料金の引き上げで、大型商業施設などで既存照明器具から高効率照明器具への取り換え需要が増加し、次世代無線調光調色器具の製品シリーズを拡充して内外の売り上げが伸び、円安によるコスト上昇負担も想定を下回ったことが要因となった。3月期通期業績は、期初予想通り売り上げ485億円(前期比6.1%増)、営業利益48億円(同55.2%増)、経常利益45億円(同23.9%増)、純利益32億円(同8.0%増)と見込んでいる。

 なお東証スタンダード市場への移行は、同社の流通株式時価総額が67億円とプライム市場の上場基準100億円に未達となっているため上場廃止リスクを回避するために選択されたもので、企業価値を向上させるための成長戦略に変化はなく、2025年3月期を最終年度とする中期経営計画の目標計画の売り上げは490億円から510億円に引き上げられ営業利益率10%超を目指す。

■PER5倍、PBR0.5倍の割安修正で年初来高値奪回に再発進

 株価は、今期業績の増益転換・連続増配予想でストップ高を交えて年初来高値1435円をつけ、その後の調整安値1186円からは2Q累計業績の1回目の上方修正で1402円とリバウンドしたが、スタンダード市場への選択申請で1155円と往って来いとなり、1200円台出没場面のなかスタンダード市場上場で1117円安値をつけるダメ押しをした。PERは5.6倍、PBRは0.5倍と割安であり、年初来高値奪回に再発進しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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