【注目銘柄】東エレデバイスは業績上方修正で増益転換、連続して最高純益を更新し続伸

 東京エレクトロン デバイス<2760>(東証プライム)は、前日14日に125円高の4195円と急反発して引け、取引時間中には4220円と買われる場面があり、今年10月18日につけた株式分割の権利落ち後高値4385円を視界に捉えた。同社が、10月31日に発表した今2024年3月期業績の上方修正と増配を見直し、純利益が、期初の減益転換予想から増益に変わり、連続して過去最高を更新することを見直し割安グロース株買いが増勢となった。テクニカル的にも25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆し、下値が25日線にサポートされて右肩上がりとなっていることも、フォローの材料視されている。

■半導体が産業機器・車載向けに堅調に推移しコンピュータシステム関連事業も好調

 同社の今3月期業績は、期初予想より売り上げを200億円、経常利益を15億円、純利益を13億2000万円それぞれ引き上げ、売り上げ2500億円(前期比4.0%増)、経常利益135億円(同8.2%増)、純利益97億7000万円(同11.3%増)と見込み、純利益は、前期の過去最高(87億7800万円)を連続更新する。期初は、半導体の調整期入りや国内外の景気見通しの不透明化などで保守的に予想していたが、半導体製品・電子デバイス事業では、半導体の販売が、産業機器・車載向けに堅調に推移し、電子デバイスも産業機器・医療機器向けの設計・受託量産サービスが続伸、コンピュータシステム関連事業でもセキュリティ製品やサブスクリプション型ライセンス及びサービスの販売などが好調を持続、円安も寄与したことが要因となった。

 配当は、中間配当を期初予想の140円から183円に引き上げ、期末配当は70円に据え置き、期末配当は、今年9月30日を基準日に実施した株式分割(1株を3株に分割)を勘案すると210円となり、合計の実質年間配当は393円にアップし、前期実績355円から38円の連続増配となる。

■GC示現をテコにPER12倍の割安修正で分割権利落ち高値奪回に弾み

 株価は、昨年10月の前期業績の上方修正と増配でストップ高して7320円をつけ、今期業績の減益転換予想も同時発表の株式分割と中期経営計画の目標業績上方修正に反応して1万1400円まで買い進まれ、1万650円で株式分割の権利を落とした。分割権利落ち後は、落ち後安値3230円から同高値4385円まで35%高し25日線が75日を上抜きGCを示現したが、今期業績の上方修正・増配では利益確定売りで4005円と下ぶれる場面もあった。PERは12.8倍、実質配当利回りは3.12%と割安であり、親会社の東京エレクトロン<8035>(東証プライム)の実質上場来高値追いも加わって権利落ち後高値4385円奪回に弾みをつけよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る