【アナリスト水田雅展の銘柄分析】協立情報通信は戻り高値圏モミ合いから上放れのタイミング、今期利益増額の可能性を評価

銘柄分析

 ソリューション事業やモバイル事業を展開する協立情報通信<3670>(JQS)の株価は、戻り高値圏1800円~2000円近辺でモミ合う展開だが煮詰まり感を強めている。今期(15年2月期)の増収増益見通しや利益増額の可能性を評価して上放れのタイミングだろう。7月の戻り高値2000円、1月の年初来高値2080円を突破すれば上げ足を速めそうだ。

 法人向けソリューション事業(情報通信システムソリューション、会計情報ソリューション、情報活用教育ソリューション、情報活用レンタルソリューション)、およびモバイル事業(法人向けモバイルソリューション、ドコモショップ6店舗運営)を展開している。

 企業のICT(情報通信技術)化の実現に向けて、NEC<6701>、オービックビジネスコンサルタント<4733>、NTTドコモ<9437>、サイボウズ<4776>、日本マイクロソフトなどパートナー企業の製品・サービスを融合し、情報通信インフラ機器の販売だけでなく、システム構築から導入・保守・運用・教育までをソリューションとして提供している。

 ソリューション事業では、情報通信システムソリューションでNECの構内交換機(PBX)、会計情報ソリューションでオービックビジネスコンサルタントの「奉行シリーズ」をベースとして、中堅・中小企業向けを中心に情報インフラ、情報コンテンツ、情報活用支援(プラクティカルユース)の3分野を統合した経営情報ソリューションをワンストップサービスで提供していることが強みだ。また常設デモスペースの体感型フューチャーラボ「情報創造コミュニティー」において製品活用体験セミナー、フェア、イベント、システム導入相談会、教育サービスなどを提供していることも特徴だ。

 モバイル事業では、NTTドコモの一次代理店であるティーガイア<3738>の代理店として、ドコモショップ6店舗(東京都内2店舗、埼玉県内4店舗)を運営し、個人向けモバイル端末などの店頭販売、および法人向けモバイルソリューションを展開している。

 10月10日発表の今期(15年2月期)第2四半期累計(3月~8月)の業績(非連結)は、売上高が前年同期比18.5%増の29億90百万円、営業利益が同2.1倍の1億91百万円、経常利益が同2.1倍の1億91百万円、純利益が同2.5倍の1億19百万円だった。

 パートナーとの共創展開(共同営業やセミナー・イベントの共同開催)の効果で「情報創造コミュニティー」への来場社数は722社となり、前年同期との比較で120社増加、前年下期との比較でも91社増加した。新規来場社の比率は50%だった。

 セグメント別に見ると、ソリューション事業は売上高が同9.7%増の9億25百万円、営業利益が同31.4%増の1億11百万円だった。消費増税前駆け込み需要の反動で受注がやや低調だったが、パートナーとの協業強化や販管費削減などの効果で増収増益だった。モバイル事業は売上高が同22.8%増の20億65百万円、営業利益が79百万円(前年同期は5百万円)だった。消費増税前駆け込み需要や新料金プランの効果で機器販売が想定以上に好調だった。機器販売台数は2万2076台で同19.3%増加した。

 通期の業績(非連結)見通しは前回予想(4月11日公表)を据え置いて売上高が前期比5.0%増の56億02百万円、営業利益が同15.7%増の2億48百万円、経常利益が同15.3%増の2億48百万円、そして純利益が同7.0%増の1億38百万円、配当予想が前期と同額の年間50円(期末一括)としている。

 セグメント別の計画は、ソリューション事業の売上高が同4.9%増の18億38百万円、営業利益が同4.2%増の2億20百万円、モバイル事業の売上高が同5.0%増の37億64百万円、営業利益が28百万円(前期は3百万円)としている。

 ソリューション事業は米マイクロソフトの「ウインドウズXP」サポート終了や、15年夏予定の「Windows Server 2003」サポート終了に伴う移行案件が好調に推移する。パートナーとの協業強化による既存顧客深耕や新規顧客獲得も寄与する。モバイル事業は通期営業利益見通しを第2四半期累計で超過達成しているが、競争激化など不透明要因が多いとして慎重な見通しとしている。

 ただし通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が53.4%、営業利益が77.2%、経常利益が77.2%、純利益が86.3%と高水準であり、通期増額の可能性が高いだろう。

 なお15年1月中旬に、ドコモショップ八丁堀店および「情報創造コミュニティー」他を移転する。現在入居しているビルが耐震強化を目的に建て替えられるため3年間の仮移転となる。今期業績見通しへの影響は軽微で、移転に伴う新設備の償却費などは来期(16年2月期)の業績見通しに織り込むとしている。

 企業のICT投資需要は「クラウド」「モバイル」「セキュリティー」をキーワードとして高水準に推移することが予想され、法人向けソリューション提案力向上によって付加価値(サービス)提供へのシフトを加速する。モバイル事業では顧客囲い込みに向けたドコモマイショップへの加入促進も強化する。ストック型収益モデルを強化して利益率を一段と向上させる方針だ。中期経営計画では目標値として17年2月期売上高76億20百万円、営業利益7億04百万円を掲げている。中期的に収益拡大基調で一段の高収益化も期待されるだろう。

 なお株主優待制度については、毎年2月末時点で500株以上~1000株未満保有株主に対して島根県仁多郡産コシヒカリ「仁多米」2kg(1500円相当)、1000株以上保有株主に対して同5kg(3700円相当)を贈呈する。

 株価の動きを見ると、7月の戻り高値2000円まで切り返した後は、戻り高値圏1800円~2000円近辺でモミ合う展開だ。ただし大きく下押す動きは見られず、堅調に推移してモミ合い煮詰まり感も強めている。今期の増収増益見通しや利益増額の可能性を評価する流れに変化はないだろう。

 10月28日の終値1876円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS115円72銭で算出)は16~17倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間50円で算出)は2.7%近辺、前期実績PBR(前期実績のBPS751円39銭で算出)は2.5倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線を挟んでモミ合う展開だが、下値は26週移動平均線が支える形だ。モミ合い煮詰まり感を強めており、今期の増収増益見通しや利益増額の可能性を評価して上放れのタイミングだろう。7月の戻り高値2000円、1月の年初来高値2080円を突破すれば上げ足を速めそうだ。

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