キリンと三菱重工グループが共同実証、海老名物流センターに「自動ピッキングソリューション」を導入

■物流オペレーター不足や重筋作業の解消に期待

 キリンホールディングス<2503>(東証プライム)グループのキリンビバレッジとキリングループロジスティクスは、三菱重工業<7011>(東証プライム)と三菱ロジスネクスト<7105>(東証スタンダード)とともに、飲料出荷拠点への「自動ピッキングソリューション」の導入に関する共同実証を行ったと発表。このソリューションは、無人フォークリフト、無人搬送車、ピッキングロボットを連携させて、パレット上に積み付ける作業(ピッキング)を自動化・知能化したもの。物流現場への実効性が検証されたことから、海老名物流センター(神奈川県海老名市)に同ソリューションを導入することを決定した。なお、同ソリューションは2024年12月に本格稼働を開始する予定。

■車両待機などの2024年問題への対応を加速

 同ソリューションの導入により、飲料が入った重量のある段ボールを人の手を介してピッキングを行う重筋作業やフォークリフト搬送を自動化し、作業環境の改善やピッキング人員を検品など他の作業への再配置を進めることが出来る。その結果、物流センター全体の人手不足の解消、待機車両時間を短縮することが可能となり、2024年問題の対応を加速することにつながる。また、同ソリューションは、自動化・知能化した設備のため、原則的に完全自動化への切り替えが可能だが、今回は、有事の際に人による作業が可能なハイブリッドなオペレーション設計にすることにより、停電・自然災害などによるBCP(事業継続計画)を考慮した構成としている。今後は、2023年6月に内閣府より発出された「物流革新に向けた政策パッケージ」に対応すべく、夜間帯での無人作業も検討していく。

 共同実証は、2022年11月から2023年6月まで、三菱重工業 Yokohama Hardtech Hub内 実証施設 「LogiQ X Lab」(神奈川県横浜市)で行われた。実証の内容は、キリンビバレッジの倉庫オペレーション状況下でのピッキングソリューションの検証、ピッキングソリューションの生産性確認及び、倉庫導入に向けた生産性向上の検証、キリンビバレッジの倉庫の自動化範囲と人的作業範囲の最適化検討、運用プロセス確立、キリンビバレッジの倉庫向け設備・システム仕様の検討などでした。実証の結果、海老名物流センターを前提としたピッキングソリューションの設備・システム仕様の構築と、ピッキングソリューションによる生産性42%向上(実証前比)が確認された。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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