【株式評論家の視点】星光PMCは50周年の2018年に営業利益35億へ、新事業に期待

株式評論家の視点

<銘柄の見所>

星光PMC<4963>(東1)は、製紙用薬品事業、樹脂事業のほか、成長が見込まれるエレクトロニクス関連材料と再生可能な環境材料を重点的に新規開発事業を手がけている。足元の業績は、20114年12月期業績予想は売上高が242億7000万円、営業利益が4億円、経常利益が4億4000万円、最終損益が6000万円の赤字になる見通し。年間配当は12円を予定している。興人フィルム&ケミカルズ株式会社の化成品事業を会社分割により継承したKJケミカルズ株式会社の発行済み株式の90%を取得し子会社化し、特別利益(負ののれん発生益)を計上したが、中国子会社(星光精細化工(張家港)有限公司)が保有している固定資産につき減損処理を行い特別損失(減損損失)を計上したことが響く。

同社は、変革に大胆にチャレンジする企業として、同社設立50周年にあたる2018年度に売上高350億円、営業利益率35億円目標を掲げている。その達成のための第一段階として、中期経営計画「CS VISION-1」をスタートさせている。成長市場である中国・東南アジアを中心とした海外にビジネスチャンスを見出すことにより、海外事業の比率を高めているほか、乳化・分散および重合という同社のコア技術を駆使してエレクトロニクス関連材料、および再生可能な環境材料に重点を置いて開発を実施し、事業化を推し進めている。

株価は、同社がスマートフォン(スマホ)などのタッチパネルの電極向けに、電気抵抗値が従来品より約3割低い銀製の新素材(銀ナノワイヤ)を開発したことを手がかりに、3月4日に上場来の高値1978円と買われた後、5月20日安値1004円、8月8日安値938円、10月17日に年初来安値864円と調整し三段下げ完了。その後、900円処を下値にモミ合いとなっている。本年7月に千葉工場(千葉県市原市)内において、銀ナノワイヤ製造設備の建設が完了。運転を開始し、9月から本格的にサンプル出荷を開始しているが、ウェアラブル端末や大型ディスプレイへの利用が見込まれており、将来的に業績に寄与するとの期待感が高まる。2015年12月期は最終黒字転換が観測されており、本格リバウンド局面入りが予想される。900円に接近する場面があれば、下値買い妙味が膨らもう。(信濃川)

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