【編集長の視点】ティムコは小反落も下値には4期ぶりの純益黒字転換業績を再評価して超割り負け訂正買いが底流

編集長の視点

ティムコ<7501>(JQS)は、1円安の548円と小反落して始まっている。原油価格安による逆オイルショック懸念で世界的な株安が続き、東京市場も、きょう16日に日経平均株価が、311円安と続急落し、1万7000円台を割ってスタートしたことから、同社株にも目先の利益を確定する売り物が先行している。ただ、8月19日につけた年初来安値529円に並ぶ安値水準にあることから、下値には前2014年11月期純利益が、4期ぶりに黒字転換したと推定されていることを再評価して、割り負け訂正期待の買い物が続いている。テクニカル的にも、11月26日につけた配当権利落ち後安値547円で2番底を確認したと評価されており、また防虫機能衣料「スコーロン」にデング熱関連の思惑が根強いこともサポート材料視されている。

■防虫機能衣料「スコーロン」などの新製品を積極投入し逆風経営環境をカバー

同社の目下集計中の前2014年11月期業績は、アウトドア産業全体が、消費税増税や連続発生した台風、頻発する豪雨などの自然災害の影響で厳しく推移するなか、売り上げ28億9000万円(前々比1%増)、経常利益4300万円(前々期は200万円の赤字)、純利益2800万円(同1600万円の赤字)と予想され、純利益は、4期ぶりに黒字転換したと推定されている。フィッシング事業では、ルアー用品、フライ用品の新製品を早期投入し、アウトドア事業でも、異常気象に対応した防寒・防水性衣料、防虫機能衣料「スコーロン」などのラインアップを拡充、「フォックスファイアー」ブランドの商品力強化とともに、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益力向上を引き続き進めたことが、円安進行に伴う仕入原価の上昇などをカバーして黒字転換につながったとみられている。

とくに「スコーロン」は、今年8月に東京の代々木公園で蚊に刺されてデング熱に感染する患者が相次いで発生したことから、蚊による吸血阻止率が100%と未加工衣料の阻止率23%を大きく上回り、この効果が何回洗濯しても継続することで注目を浴びた。同社は、同衣料の拡販をさらに進めており、蚊の発生時期には関連需要の一段の増加も予想されるところで、今2015年11月期業績の押し上げ材料となる。

■2番底を固めてPBRは0.2倍、配当利回りは2.1%と市場平均を上回る

株価は、前期業績が、消費税増税や天候不順で再三、下方修正され、今年7月の下方修正で年初来で安値529円まで調整したが、デング熱関連人気で年初来高値600円に顔合わせする急伸を演じ、年間12円の安定配当の権利落ちで547円と再調整、2番底を形成した。PER評価では割高感は否めないものの、PBRは0.2倍と超割り負けており、配当利回りも、2.1%に達して市場平均を上回るだけに底上げに再発進する展開が有力で、内需関連業態も評価し高値奪回から一段の上値追いに進もう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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