ヤマシタヘルスケアホールディングスは24年5月期2Q累計増益、通期上振れの可能性

(決算速報)
 ヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東証スタンダード)は、1月12日の取引時間終了後に24年5月期第2四半期累計連結業績を発表した。医療機器販売が順調に拡大し、人件費増加などを吸収して増益だった。通期予想は据え置いた。特需の反動や不透明感などを考慮して減収、営業・経常減益、当期純利益は特別損失一巡して増益、配当は増配予想としている。ただし第2四半期累計が増益での着地となり、進捗率も高水準であることを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は23年4月の昨年来高値に接近している。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■24年5月期2Q累計増益着地、高進捗率で通期上振れの可能性

 24年5月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比4.5%増の288億99百万円、営業利益が3.5%増の6億18百万円、経常利益が3.3%増の6億45百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4億80百万円(前年同期は特別損失計上により2億01百万円の損失)だった。

 医療機器販売が順調に拡大し、人件費増加などを吸収して増益だった。営業利益の前年比+20百万円の増減分析は、売上総利益増加+1億99百万円、人件費・求人日等の増加▲1億円、発送運賃・旅費交通費等の増加▲12百万円、保守料・車両費等の増加▲67百万円としている。

 医療機器販売業は売上高が4.5%増の288億44百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が6.0%増の11億04百万円だった。売上高の内訳は一般機器分野(画像診断機器、放射線診断装置など)が16.3%増の38億01百万円、一般消耗品分野(手術関連消耗品など)が4.0%増の123億51百万円、低侵襲治療分野(内視鏡、サージカル備品など)が1.7%増の69億30百万円、専門分野(整形、理化学、透析など)が1.5%増の51億06百万円、情報・サービス分野(設備保守メンテナンスなど)が8.9%増の6億54百万円だった。

 医療機器製造・販売業は、売上高が4.6%増の1億46百万円で利益が6百万円(前年同期は3百万円)だった。医療モール事業は、売上高が8.5%増の36百万円で利益が2百万円(同0百万円)だった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が140億21百万円で営業利益が1億96百万円、第2四半期は売上高が148億78百万円で営業利益が4億22百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年5月期比6.8%減の542億15百万円、営業利益が44.5%減の6億41百万円、経常利益が43.4%減の6億82百万円、親会社株主帰属当期純利益が111.8%増の4億64百万円としている。配当予想も据え置いて、23年5月期比7円増配の55円(期末一括)としている。予想配当性向は30.3%となる。

 特需の反動や不透明感などを考慮して減収、営業・経常減益、親会社株主帰属当期純利益は特別損失一巡して増益、配当は増配予想としている。ただし第2四半期累計の進捗率は売上高53%、営業利益96%、経常利益95%、親会社株主帰属当期純利益103%だった。第2四半期累計が増益での着地となり、進捗率も高水準であることを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

 株価は23年4月の昨年来高値に接近している。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。1月12日の終値は2169円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS181円78銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の55円で算出)は約2.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3097円34銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約55億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■グローバルモデルに匹敵する日本語対応の高性能生成AIを4月から順次提供  ELYZAとKDDI<…
  2. ■優勝への軌跡と名将の言葉  学研ホールディングス<9470>(東証プライム)は3月14日、阪神タ…
  3. ■新たな映画プロジェクトを発表  任天堂は3月10日、イルミネーション(本社:米国カリフォルニア州…
2024年4月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物と原油価格、史上最高値に迫る―地政学リスクが市場に与える影響  今週のコラムは、異例中の異…
  2. ■「虎」と「狼」の挟撃を振り切り地政学リスク関連株で「ピンチはチャンス」に再度トライ  東京市場は…
  3. ■海運株と防衛関連株、原油価格の動向に注目集まる  地政学リスクによる市場の不安定さが増す中、安全…
  4. ■中東緊張と市場動向:投資家の選択は?  「遠い戦争は買い」とするのが、投資セオリーとされてきた。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る