【編集長の視点】イントランスは前日比変わらずも業績下方修正を織り込み株主優待制度を手掛かりに下値抵抗力

編集長の視点

■インバウンド需要と新規ホテル開発に期待

 イントランス<3237>(東証グロース)は、前日3日に前日比変わらずの116円で引けたが、取引時間中には118円と上ぶれ3月28日につけた年初来安値111円を前に下値抵抗力を発揮した。同社株は、今年3月26日に目下集計中の2024年3月期業績の下方修正を発表したことが敬遠されて年初来安値に突っ込んだが、純利益の赤字幅は、前々期より縮小するほか、継続している株主優待制度の実質好利回りを手掛かりに極低位値ごろ株買いが交錯し。またインバウンド関連では、4月3日からの中国の清明節の休暇入りで中国からの観光客のインバウンド送客事業にプラス効果が期待できることも、側面支援材料視されている。

■QUOカード8000円を贈呈しボールパーク隣接地に新ホテル

 同社の2024年3月期業績は、ホテルの新規開発やホテル投資ファンドなど新規収益事業などを推進するため業績が大きく変化する可能性があるとしてレンジで予想されていた。その売り上げ17億1200万円~32億7500万円は12億8800万円(前々期比2.15倍)へ、営業利益は2億6000万円の赤字~1億700万円の黒字から1億4100万円の赤字(前々期は4億1600万円の赤字)へ、経常利益は2億7900万円の赤字~3100万円の黒字(同4億7100万円の赤字)へ、純利益は2億8100万円の赤字~1100万円の黒字から1億1700万円の赤字(同4億9300万円の赤字)へそれぞれ下方修正された。不動産事業では、案件売却がほぼ計画通りに進んだが、新規のホテル開設がなく、中華圏からの観光客をグループのホテルを中心にして送客するインバウンド送客事業の開始事業が遅れ、子会社の大多喜ハーブガーデン売却による売り上げ減少、ホテル投資ファンドの組成が計画の50%以下にとどまったことなどが要因となった。ただ赤字幅は、前々期より縮小する。

 今2025年3月期業績は、今年4月に京都で展開しているホテル3棟をシンガポールを拠点とするホテル大手バンヤン・ツリー・ホテルのブランドにリニューアルしてオープンするほか、新たな観光地として人気化している北海道東広島市の新球場「ボールパーク」の近接地でも新規ホテルの建物賃貸借契約を締結するなど、業績底上げが期待される。なお株主優待制度は、前期末は1000株以上保有の株主にQUOカード8000円を贈呈した。この優待利回りは、6.66%となり、2024年9月末も、内容はまだ未定なものの実施を予定している。

■25日線から17%超の下方かい離と下げ過ぎでインバウンド関連人気の再燃を期待

 株価は、株主優待制度の発表で昨年9月、11月とストップ高し145円高値をつけ、今年1月には京都のホテルのリニューアルオープンで昨年来176円まで買い進まれ、業績下方修正で111円安値に突っ込み、北海道東広島市へのバンヤン・グループのホテル誘致決定で底上げ途上にある。テクニカル的にも25日移動平均線からなお17%超のマイナスかい離と売られ過ぎを示唆しており、低位値ごろのインバウンド関連人気の再燃も加わり、昨年来高値へキャッチアップしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞・株式投資情報編集長=浅妻昭治)

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