【3月期決算発表ピーク!】市場コンセンサスと業績ガイダンスのギャップが株価を左右する

■市場コンセンサスと業績ガイダンスの綱引き

 活発化する3月期決算発表。市場参加者にとって、業績発表は重要な情報となる。株価形成には、「短期は需給、中期はファンダメルズ(経済の基礎的条件)」という格言がある。そして、ファンダメンタルズの中でも特に重要なのが、企業業績だ。

 市場コンセンサスは、証券アナリストが個々の上場会社の業績を予想し、それを集計した平均値。この市場コンセンサスを上場会社の業績ガイダンスが上回るか、下回るかで株価は大きく変動する。これは、日米両市場共通の相場動きの要因となっている。

 大型連休前、連休中も、上場会社の業績ガイダンスと市場コンセンサスとの比較で株価が変動するケースが相次いだ。しかし本来、市場コンセンサスと業績ガイダンスが異なる場合は、その相違は証券アナリストの分析ミスや読み間違いである可能性がある。上場会社側が業績ガイダンスを積極的、保守的に見積もる傾向もあるとはいえ、そのギャップの責任は業績ガイダンスに転嫁され、株価変動の要因とされるケースが目立つ。

■銘柄選びのポイント:市場コンセンサスとの折り合い

 本格化する3月期決算発表において、銘柄選びのポイントとなるのは、市場コンセンサスと業績ガイダンスのギャップをどう捉えるかだ。

(1)市場コンセンサスを無視し、業績ガイダンスに素直に従う
 これは、市場の動向とは異なる銘柄に投資するリスクを伴うが、大きなリターンを得られる可能性もある。

(2)証券アナリスト未カバー銘柄に注目する
 証券アナリストがカバーしていない銘柄は、市場からの注目度が低いため、割安な価格で取引されている可能性がある。

 上記のように、3月期決算発表は投資判断の重要な材料となる。しかし、市場コンセンサスや業績ガイダンスはあくまでも予測であり、必ずしも正しいとは限らない。投資判断を行う際には、これらの情報を参考にしながら、自身の分析に基づいて慎重に判断することが重要となろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■AIとベイジアンネットワーク解析で165項目を抽出、複雑な因果関係を構造化  大正製薬は11月2…
  2. ■Blackwell GPU2140基で研究競争力を拡大  NVIDIA(NVDA:NASDAQ)…
  3. ■銀座の呉服店「むら田」店主・村田あき子の語りをまとめた書籍  KADOKAWA<9468>(東証…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  2. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  3. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  4. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  5. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  6. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る