クリナップは24年3月期大幅減益、25年3月期は大幅営業・経常増益予想

(決算速報)
 クリナップ<7955>(東証プライム)は5月8日の取引時間終了後に24年3月期連結業績(4月30日付で下方修正)を発表した。売上高が計画を下回り、原材料・資材価格の高騰、販売価格改定効果の浸透遅れ、広告宣伝費や人件費の増加なども影響して大幅減益だった。25年3月期は拡販や原価低減を推進して大幅営業・経常増益予想としている。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。株価は3月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だが、4月30日の業績予想下方修正に対する失望売りは限定的だった。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。

■24年3月期は大幅減益、25年3月期は大幅営業・経常増益予想

 24年3月期の連結業績は売上高が23年3月期比3.2%増の1279億82百万円、営業利益が57.5%減の12億82百万円、経常利益が49.2%減の18億09百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が41.8%減の14億68百万円だった。配当は23年3月期比5円増配の31円(第2四半期末13円、期末18円=普通配当26円+創業75周年記念配当5円)とした。配当性向は77.6%となる。

 計画(23年10月31日付の修正値、売上高1287億円、営業利益31億円、経常利益36億円、親会社株主帰属当期純利益23億円)を下回り大幅減益だった。新設住宅着工件数減少やリフォーム需要伸び悩みなどにより売上高が計画を下回り、原材料・資材価格の高騰、販売価格改定効果の浸透遅れ、広告宣伝費や人件費の増加なども影響した。部門別売上高は厨房部門が4.3%増の1051億52百万円、浴槽・洗面部門が2.9%減の148億15百万円だった。

 なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が318億82百万円で営業利益が4億83百万円、第2四半期は売上高が316億53百万円で営業利益が5億64百万円、第3四半期は売上高が338億99百万円で営業利益が13億50百万円、第4四半期は売上高305億48百万円で営業利益が11億15百万円の損失だった。

 25年3月期の連結業績予想は、売上高が24年3月期比4.7%増の1340億円、営業利益が63.8%増の21億円、経常利益が49.2%増の27億円、親会社株主帰属当期純利益が9.0%増の16億円としている。配当予想については24年3月期と同額の31円(第2四半期末13円、期末18円)としている。予想配当性向は71.2%となる。

 拡販や原価低減を推進して大幅営業・経常増益予想としている。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は3月の年初来高値圏から反落して上値を切り下げる形だが、4月30日の業績予想下方修正に対する失望売りは限定的だった。高配当利回りや1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。5月8日の終値は734円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS43円53銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の31円で算出)は約4.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1571円31銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約275億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■山口県周南市で始動、燃料電池の定置型電源活用で脱炭素電力供給を検証  ホンダ<7267>(東証プ…
  2. ■LINEリサーチ発表、上半期トレンド総括と最新6月期の動向  LINEヤフー<4689>(東証プ…
  3. ■休廃業・解散は減少も淘汰続く、新興市場の課題鮮明に  東京商工リサーチは7月31日、国内ドローン…
2025年10月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

ピックアップ記事

  1. ■金先物関連株、最高値更新で安全資産需要が強まる  日本取引所グループ<8697>は9月24日、今…
  2. ■石破首相辞任表明後も市場は急落回避、投資家の買い意欲継続  「一寸先」は、不確実で予測が難しい。…
  3. ■東証市場、主力株急落と中小型株逆行高で投資戦略二極化  証市場は9月19日に主力株の急落と中小型…
  4. どう見るこの相場
    ■プライム市場の需給悪化を警戒し、個人投資家は新興市場へ資金を逃避  「桐一葉 落ちて天下の秋を知…
  5. ■01銘柄:往年の主力株が再評価、低PER・PBRで買い候補に  今週の当コラムでは、買い遅れカバ…
  6. ■日米同時最高値への買い遅れは「TOPIXコア30」と「01銘柄」の出遅れ株でカバー  日米同時最…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る