ミロク情報サービスは今期10%営業増益めざす、24年3月期は開発投資など先行だが増益を確保

(決算速報)
■「サブスクリプション型」への移行も加速し安定的なサービス収入が増加

 ミロク情報サービス<9928>(東証プライム)の2024年3月期の連結決算は、インボイス制度や改正電子帳簿保存法への対応など、関心の高い分野の情報発信を積極的に行ったほか、オンプレミス製品の提供形態を「売切り型」から「サブスクリプション型」への移行も加速し、売上高は前期比6.1%増の439億71百万円となった。利益面では、先行投資となる新卒社員の積極採用や昇給、広告宣伝・販売促進費の増加、さらに新規事業である統合型DXプラットフォーム事業の開発投資、などがあったものの、営業利益は同0.4%増の61億10百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同12.5%増の42億38百万円と増益を確保した。サブスクリプション型への移行につれ、ストック型の安定的なサービス収入が増加した。

 14日午前の株価は取引開始後に1740円(61円高)まで上げて好反応を見せている。

 24年3月期は、インボイス制度に対応した各種ERP製品、デジタルインボイス送受信クラウドサービス『Edge Tracker電子請求書』、改正電子帳簿保存法対応のクラウドサービス『MJS e-ドキュメントCloud』の販売拡大に注力した。また、全国主要都市にある直接販売網の強みを活かし、地域に根差した営業・サポート活動を展開した。併せて、2023年4月にソリューション支社を1支社新設し、中堅・中小企業向けソリューションビジネス体制の更なる強化を図った。

今期・25年3月期は、新規顧客の獲得による顧客基盤の拡大とともに、サブスクリプション型モデルへの移行を進め、カスタマーサクセスによる顧客生涯価値の最大化を実現することで、マーケット戦略を強化する。主力製品である会計事務所向けERPシステム「ACELINK NX-Pro」、中堅企業向けERPシステム「Galileopt DX」、中小企業向けERPシステム「MJSLINK DX」は、引き続き、ニーズに即した機能改良と他社システムとの連携強化を継続し、満足度の向上に努めていく。新規事業である統合型DXプラットフォーム事業において、MJSの製品・サービスや他社サービスとの連携強化を図り、データビジネスを牽引する第二の事業の大きな柱として、本格的な事業活動を推進していく。

 連結業績予想は、売上高を455億円(前期比3.5%増)とし、営業利益は67億40百万円(同10.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は44億40百万円(同4.7%増)を見込む。年間配当(期末のみ実施)は1株55円(同5円の増配)を予定する。

 また、新たに策定した「中期経営計画Vision2028」では、2028年度の経営目標として連結売上高600億円、経常利益120億円、ROE18%超を掲げた。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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