スイミングスクールの大手JSSがスイミング・フィットネスクラブなど展開するワカヤマアスレティックスの全株式を取得、子会社化

■事業エリアが重ならず青少年の健全育成やスポーツ振興の理念は共通

 スイミングスクールの大手ジェイエスエス(JSS)<6074>(東証スタンダード)は5月14日の夕方、スイミングクラブやフィットネスクラブ、スーパー銭湯の企画運営などを行う株式会社ワカヤマアスレティックス(和歌山県和歌山市)の全株式取得と完全子会社化を発表した。

 株式取得価額は5億49百万円、株式譲渡決定日は2024年5月31日(予定)。業績に与える影響は現在精査中で、今後、開示すべき事項が生じた場合には、速やかに開示するとした。

 JSSは、「水を通じて健康づくりに貢献する」という経営理念に基づき、スイミングスクールの運営を中心とした経営を行っている。スクール会員の構成は子供会員が89.1%、大人会員が10.9%(2024年3月31日現在)となっている。

 これらのことを踏まえ、子供会員に関してはスクールの全ての活動を教育事業の一環と捉え、装置産業化したフィットネスクラブとは異なる成長を目指している。また、大人会員に関しては、水の物理的特性を生かした水中マシンの開発と水中マシンプログラムの制作を進め、水中運動をより楽しく、効果の高いものにすることにより、健康促進を訴求し、シニア会員の拡大を図りたいと考えている。

 5月初には、「出雲の95歳女性、水泳3種目で『世界新』」(NHKニュースWEB5月7日)と伝えられた報道の中で、95歳の女性が「JSS」の水泳帽をかぶって練習する映像が映し出されて注目を集めた。

 JSSとワカヤマアスレティックスは、スイミングスクール事業において競合関係にあるが、地域に根差した青少年の健全育成やスポーツ振興の理念は共通しており、厳しい経営環境の中、両社の経営努力によって、地域に根付いたスイミングスクール事業の発展を目指し、両社で協議する中で、ワカヤマアスレティックスにてスイミングスクール及びフィットネスクラブ事業の全部譲渡が検討された。

 ワカヤマアスレティックスの全株式を譲り受けることにより、JSSの長年のスイミングスクール事業のノウハウを活かし、営業活動の効率化を図ることにより、地域に根差した青少年の健全育成やスポーツ振興を伴うスイミングスクール及びフィットネスクラブ事業の加速的な成長が期待されるため、今回の株式取得(子会社化)に至った。

 また、JSSはワカヤマアスレティックスが主として展開する和歌山県エリアには既存事業所は有しておらず、本譲受によって新たなエリア展開が可能となる。今回の基本合意を契機に、JSSは、成長戦略としてのM&A戦略を強化し、既存事業所以外の更なるエリア展開に注力していくとした。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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